二十八本目の矢。 ページ30
雷門のキックオフだったが、今や立っている選手は、目金ただ1人だけだった。
「あ、ああ……嫌だ！！もうこんなの嫌だあっ！！」
エースナンバー、10番を脱ぎ捨て目金が試合を放棄し、雷門イレブンは10人となってしまった。
「無様だな。」
「無理だ、お前たちは俺たちから一点を獲ることすらな。」
そう言うと鬼道たちは円堂を見下し、笑い始めた。
「っ、まだだ！！まだ、終わってねぇぞ！！」
「まだやるって言うのか！！」
諦めていない円堂に向かってまたボールを蹴り始めた。
自分の目の前に脱ぎ捨てられたエースナンバーを見て、豪炎寺の脳裏にフラッシュバックする、車の照明に照らされた妹の影。
「…A」
「どうしたの、豪炎寺くん」
「お前も来い、A。」
「あぇっ、ぼ、僕も？…えっと、僕はここで」
「…お前も見てられないんだろう、試合。
手のひらが赤くなってる。」
「え、あ…あはは…バレちゃった？」
「全く…その癖は木戸川の頃から変わってないんだな。」
「豪炎寺くんはなんでも分かっちゃうね。」
無意識のうちに拳を強く握りしめていたのだろう、少し長くなってしまった爪の跡が手のひらにめり込み、赤くなっていたAの手。
「…でも、僕は…」
「いいから、来い。
…お前がいないと俺の調子が出ない。」
「えっ？ちょっ、ちょっと、豪炎寺くん…！」
豪炎寺はAの手を引き、地面に脱ぎ捨てられた10番を拾い、サッカーコートへと歩き出した。
「…夕香、今回だけは、お兄ちゃんを許してくれないか。」
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しぐれ(プロフ) - メルさん» ありがとうございます！頑張ります…！！！ (2022年8月8日 21時) (
レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 自分も対になる関係大好きです ﾍﾍっ！！ありがとうございます…！ (2022年8月8日 21時) (レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
メル - これからの展開が楽しみです！応援してます！頑張ってください！ (2022年8月4日 22時) (レス) id: eb7870cb0c (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - ふぉぉぉおおお 良いですね対になる関係、大好物です！更新できる時でいいので頑張って下さい！待ってます!! (2019年3月30日 5時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - ゆっきーさん» 長らくお待たせしてすみません…！頑張ります！ (2018年10月24日 21時) (レス) id: 1d4791c245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぐれ | 作成日時：2018年8月25日 21時
