四話 ページ5
「一応僕の計画通りに進んでますから」
「僕のって……ゼロス！ちょっと！これで計画通りってどういう事よ？」
「実は盗賊達に写本を狙う連中が来るって密告したのは、僕らだったりするんです」
「ぼ、ぼぉくらあああ！？」
キキーとブレーキがかかるような音を出してリナが止まり、ゼロスを睨む。
ついでに私も。目を逸らしつつ、一つため息を吐いた。だから嫌なんだ。
「さて、馬鹿兄のことは放っておいて、着きましたよ」
「また馬鹿って言った……」
頭領が隠し扉に入って行く。
「ったく、冗談じゃねえぜ！何があんな女ちょちょいのちょいだ！」
頭領が言いながら壁にかけてある額を外して踏み始める。
「こうなったらコレだけは意地でも渡さねぇからな」
異界黙示録の写本を懐に入れる。その様子を、私たちは天井から見ていた。
負の感情を隠す気がないのが丸分かりである。
「ほ〜らね？やっぱり人間パニックになると
必然的に自分の一番大切な物を取りに行くようです」
「ああ？だからワザと騒動を起こして本人にお宝の在りかまで案内させたの！？
いけしゃあしゃあとあたしを利用して！」
今にも噛みつきそうな顔でリナが言う。
「……利用？ふむ。そうとも言いますね♪」
少し考えるような仕草の後笑顔でそう言ってのけた。こいつ……。
「そうとしか言いませんよ。申し訳ありません、リナさん。」
「ああ、あんたは気にしなくていいのよ、振り回されてるみたいだし。
兄とは違って出来がいいわねー」
「ちょ、それどういう意味ですかあ！」
「一応実力では兄の方が強いんですがね。」
「え、嘘！」
「ウソじゃないです。」
「さ、行きましょうか……あ」
ゼロスが声を漏らしたので覗き込む。
「だありゃあああ！」
盗賊団の頭領がゼルガディスに切りかかるも、
彼はそれを受け流して頭領を切り捨てた。そのまま頭領が倒れる。
「安心しろ。峰打ちだ。……？」
ゼルが剣を見てハッとした。
「すまん、この剣は両刃だった。」
謝るゼル。謝ってすむことなのでしょうか。
「こら、ゼル！」
リナが逆さまの状態でゼルに話しかける。
「あんたさては最初から抜け駆け狙ってたわね！
別行動のふりして、実はあたし達のあとつけてたんでしょうが！」
「悪く思うな。」
ゼルが異界黙示録を拾ってそう告げ、リナから視線を外す。
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＊イクス＊(プロフ) - 映城梨歩さん» ありがとうございます！新作楽しみですよね〜！はい、これからも頑張らせていただきますので、応援よろしくお願いいたします！ (2018年1月28日 20時) (
レス) id: f0dded1a27 (このIDを非表示/違反報告)
映城梨歩 - 読みやすく、スレイヤーズの独特な感じが出ていて素敵です〜！新作も出るとのことなのでまた盛り上がれば良いですね！更新頑張ってください！ (2018年1月28日 0時) (レス) id: ab0a27a2a8 (このIDを非表示/違反報告)
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