二十七話 ページ28
「……セレスティアが……」
「？」
ゼロスがごくりと生唾を飲みこむ。
「セレスティアがデレた……！」
ハリセンを出しゼロスを叩く。珍しく呼び捨てだから何を言うかと思えば。
「っ――！どこから出したんですかっ！？」
「折角褒めてやったのに失礼な事言うからです。」
「すみません……」
「ま、許してやりますよ。所詮兄様ですし。」
今日は機嫌良いですし。
「しょ、所詮って……ま、まあ、とにかく、いい人ですよ、マルチナさんは。」
無理矢理話を戻すゼロス。
「復讐すると決めたらテコでも動かない。手段も選ばない。
その為にこつこつアルバイトまでする。
その執念と意思の強さにはもう本当、敬服しちゃいます……あれ？」
「ど、どこが良い人なわけ？」
テーブルの上につっ伏すリナ。
一方マルチナは話の間中ゼロスを見つめ、
そしてウットリとした眼差しを向けると彼の肩へと、しな垂れた。
「ゼロス様……あぁ♪」
「リナさーん、隣行ってもよろしいですかー？」
「……いいけど……」
……何故だろう、馬がハンカチを振っている。……気にしたら負けってやつか。
「はいはい、ちゃんと帰んのよー」
疲れたように馬にそう言うリナ。
リナがゼロスの方に視線を動かす。マルチナはゼロスの片腕をとりリナと私を睨んでいる。
どうやらさっきの一言でブラコンのレッテルを貼られたらしい。
……私はブラコンじゃないし、どちらかというとゼロスの方が……いや、何でもない。
「……はー……」
リナがため息をつく。
「リナさん、大丈夫ですか？疲れてしまわれたのなら、私に言ってくださいね？」
「へ？あ、ああ、大丈夫よ。……ねえ、セティ」
「はい？」
「あんたって、ゼロス以外には基本優しいよね。何で？」
「……昔、ゼロスと私は性格が真逆だったんです。
つまり、ゼロスが常に無表情で、私が常に笑顔だったんですよ。信じられないでしょう？
この私がゼロスみたいに常にヘラヘラしてたんです」
「う、うん。それで？」
「それで、ゼロスは今の私のように昔の私に冷たく接してたので。
……昔の私は口が悪かった代わりに猫かぶりでしたから
そういうのにイラついても隠せましたし、兄妹だしそこまで気にしなかったのですか、
ちょっと色々ありまして、性格が逆転しちゃいまして
つまりその、仕返し？みたいな」
「なるほど……。ゼロスがセティみたいでセティがゼロスみたいって全然想像つかないけど」
「でしょう？」
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＊イクス＊(プロフ) - 映城梨歩さん» ありがとうございます！新作楽しみですよね〜！はい、これからも頑張らせていただきますので、応援よろしくお願いいたします！ (2018年1月28日 20時) (
レス) id: f0dded1a27 (このIDを非表示/違反報告)
映城梨歩 - 読みやすく、スレイヤーズの独特な感じが出ていて素敵です〜！新作も出るとのことなのでまた盛り上がれば良いですね！更新頑張ってください！ (2018年1月28日 0時) (レス) id: ab0a27a2a8 (このIDを非表示/違反報告)
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