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♡♡♡ ページ1

親友の結婚式に出た。


ほのか、幸せそう。結婚するんだもんね。


親友の幸せは私の幸せ、とはよく言ったものだが、私はというとそうでもない。





式が終わったころ、私のスマホがなった。


案の定、


「またかよ……」


電話をかけてきたのは父さんだった。


父さん、という画面表示がうっとうしく感じてしまう。


そう、父さんこそがほのかの結婚を心から喜べない元凶だった。





式場の庭に出て、電話にでる。


『もしもs……』


父「A!いいお見合いの話があるんだ!」


『父さん、またその話!?私結婚する気はないんだって!!お見合いも行かない!』





結婚式場にいることも忘れて電話越しに叫ぶ私に負けじと、父さんも叫ぶ。





父「でもお前、高橋財閥の1人娘だぞ!?お前の夫が継がなくてどうする!?」


『うちの会社なんかどうでもいいよ!社員から選べばいいじゃん!!』


父「もしかして、もう相手がいるから、お見合いが嫌というのか!?」





なんでそうなるんだか……


呆れて言葉も出てこない。もはやめまいさえ感じる。


全ての元凶父さんとはいうと、そんな電話越しの娘がそんな状態とも知らず、明るく声を発する。





父「そうなんだな!?よし!1度うちに連れてこい!」


『は?私彼氏なんか……!』


父「父さんは忙しいから切るぞ?今度の土曜な!」





父さんのその言葉を最後に、電話が切れた。


相変わらず自分勝手だなぁ。思わず重たいため息をもらす。


でも私、結婚しないとな。父さんが結婚しろってうるさいし。


考えただけで憂鬱になる。





私の実家、高橋財閥は世界的にも有名な大企業だ。


代々高橋家の長男がそれを継ぐのだが、この代では女の子一人しか生まれなかった。


その女の子が私。まぎれもなく私。


だけど、財閥の娘というわりには質素に育った私には、会社を継ぐ気はさらさらなかった。


ついでに結婚する気もない。皆無。そもそもそんな暇ない。





柵にもたれながら考える。


土曜日か……。


誰か連れていかなかったら、また父さんがうるさくなる。


間に合わせだけでも誰かいないかな……。





それじゃ、相手に失礼か。


それなら……


「本当に恋、できないかなぁ」


「じゃあ、僕に任せてよ」


思わず呟いたら、後ろから声が聞こえた。


振り向くと、知らん誰かが。





誰だこいつ。もしかして、新郎のジェルくんの友達?


「なんですか?」


そう聞くと、彼はニコっと笑って言った。


「恋愛屋です」

♡1♡→



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めぇちゃりおる.⁠。⁠*⁠♡ - この作品読んだ瞬間面白くて夢中になっちゃいました!!更新も楽しみにしてます! (2月8日 17時) (レス) @page30 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ☆まろ所属。紫月まろ。@完結後転生。(プロフ) - お気に入り、失礼します。 (9月10日 12時) (レス) @page29 id: 8001bcdca9 (このIDを非表示/違反報告)
あたおかほっとけーき@くれぱん(プロフ) - 猫さん» 感謝します、嬉しいです! (2023年4月22日 23時) (レス) id: 35a6771a72 (このIDを非表示/違反報告)
- 応援してます! (2023年4月22日 16時) (レス) @page21 id: 491710a026 (このIDを非表示/違反報告)
あたおかほっとけーき@くれぱん(プロフ) - オオイヌフグリさん» ありがとうございます。嬉しいです……!ちゃんと更新できるよう頑張ります (2023年3月21日 23時) (レス) id: 35a6771a72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あたおか | 作成日時:2022年1月11日 1時

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