愛、哀【wrwrd】【短編集】 (ページ44)

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A目線

でも、今の私はただの人殺しの不幸な女ではない。
素敵な彼氏だって出来た。

A『なんて思ってたら電話が………はぁい、もしもし。』
tn｢あ、もしもし？今平気なん？｣
A『うん、全然暇だよー』

tn｢そしたら、そっち行ってもええ？
なんか、顔見たくなって。｣

トントンがそんな事を言うなんて珍しいと思いつつも、そんな風に思っていてくれて単純に嬉しい。

A『もちろん！じゃあ、鍵開けておくね！』
tn｢ん。じゃあそっち向かうわ。ちゃんと待ってて。｣
A『はーい！』

ブツ、と電話が途切れた。

A『んふふ、珍しいなぁ…
トントンって意外と寂しがり屋なのかな？』

トントン、夜ご飯私の家で食べていくかな？まあ、とりあえず作って損はないか！
私は鼻唄を歌いながら夜ご飯の支度を始めた。

A『よし、できた。』

一通り雑に作った夜ご飯が机の上に並ぶ。
どうしよう、これでトントンはもう家で夜ご飯食べてきたけどってなったら。
まあ、なったらなったでその時だ。

tn｢A。｣
A『わ、来てたんだねトン…ト……』

後ろを振り向くと、包丁片手に私を見つめているトントンがいた。

A『え、トントン……それ、どうしたの…？あ、おもちゃ…？』
tn｢…おもちゃやったらええのにな。｣

トントンはへら、と笑った。
あ、これヤバい奴

tn｢もうっ、耐えられん…っ！！｣
A『っ！！！』

ぎゅっと目を瞑るが、痛みどころか何も感じない。
目を開ける前に、ぱしゃっという音が聞こえた。
恐る恐る目を開けるとトントンは血を吐いていた。

tn｢げほっ、がほっ、ごほごほっ！！
な、んやねんこれ…、？は？……げほっげほっ！！｣

A『と、トントン…！』
tn｢ン、ぐっ…なんなん…っ！なんで、｣

ぐり、とトントンの黒目が回転した。

A『は…っぁ、トントン、トントン！死なないで！トントン！！』

トントンの体温は少しずつ下がっていった。

─軽く解説─

Aさんが死ねと思った相手が死ぬんじゃなくて、Aさんに死ねと思った人が死ぬという話。
有名な奴ですね。
Aさんが願った方法で人が死んでいったのはさて偶然か…それとも、相手がAさんにそう死んで欲しかったのか。

今回は文字ギチギチで行かせて貰いました。
皆さん的にはどっちの方が好きなんでしょう