●足音１つ、いや２つ？ (明確に誰なのかは分からない話です) ページ42
いつも文字をぎっちり書いています。塩です。
私はそれが書きやすいのでぎっちり書いていますが、ふと『ぎっちぎちすぎて読む気起きないのでは…？』と思ったので、今回のお話は行間空けがちです
A目線
A『………』
カツ、カツ、
深夜に響く。ヒールがうるさい。
でも、仕事では履かないとだから仕方ない。
でも、
でも。
ヒールに混ざって、微かに他の足音がする。
私の歩く速さに合わさって。
後ろを見る気にはならなかった。
怖い。ただその気持ちが私の脳を支配していたのだ。
A『………』
男性恐怖症と言うものを聞いたことはあるだろうか。
ソレになる理由も症状も症状が出る条件もきっと様々だろうけれども。
私のは中学生の時にされた知らない男からの性的暴力が理由で、
呼吸困難や目眩が症状として出てくる。
ただ、私は人生でソレになったのは性的暴力された後で言うと一回だけだった。
私みたいな気弱そうな女性が、
男性数人に暗い道に連れて行かれるのを見たあの時だけ。
止めようと追いかけたが、聞こえたのは女性の『やめて、許して、痛い、ごめんなさい』という言葉と、
男性の｢うるせえ、黙ってろ、こんなことでしか役に立たねぇくせに｣という心無い言葉だった。
あの時私にそういうことをした男とはまた違う怖さだっ…た…。
って。
ああ、そうだ。
私があの男にあんなことをされた時も、
こんな風に誰かから付けられていた。
それで、当時不安に思った中学生の私が振り返ったら、あの男がいたんだ。
｢ずっと、見てたんやで
ずっとずっとずっとずっーと…な。｣
確か、そう言っていた。
こんな時に思い出すなんて、なんて縁起の悪い。
なら今振り返って、ストーカーなんていないと示してみせよう。
恐怖が、少しずつあの男への怒りや悔しさへと変わっていくのを感じる。
ただ、そうは言っても少しは恐怖心があるもので。
目をギュッと瞑り、体ごと後ろを向いた。
人の気配は感じない
…
気がする。
恐る恐る目を開いた。
ジ、ジジッと古い街灯が鳴いている。
男｢10年ぶりやな、こんなに大きなってもうて｣
私の口から、ﾋｭ、とか細い音がした。
呼吸が、息が出来ない。
A『…も、……ゃ…だぁ…』
視界が…いや、世界が
ぐらりと大きく揺れた。
ヒールがパキリと折れた。
行間空けたら読みやすくなりましたかね？
分かりませんが難しかったです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩分の闇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/egg/
作成日時：2024年1月25日 13時
