愛、哀【wrwrd】【短編集】 (ページ41)

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物好き　ci ページ41

A目線

A『チーノチーノ。今回の国語のテストの点数、2人でいっせーので言おうよ～』
ci｢ん、ええよ？｣

A『いっせーの！』

A『72点！』 ci｢………｣

私の声｢だけ｣が部屋に響いた。
こ、こいつぅ…！

ci｢ふふっ｣

チーノはクスクスと笑って、国語のテストを取り出した。

ci｢94点。ざぁんねん♪俺に国語で挑むとか100年早いて！｣
A『くぅ…っ！せーので言おうって言ったのに！』
ci｢騙される方が悪いんやで～｣

そう言ったチーノは私が買ってきた未開封のペットボトルのジュースの蓋を開けて、一口飲んだ。

A『あーー！！ちょっと！』
ci｢勝ったんやしええやん。あ、俺の飲みかけでええなら飲んでもええよ？｣
A『飲まないよ！気持ち悪いこと言いやがって！』

そう言ってまた後悔する。
ツンデレとか、そう言うのではないけれど私は素直になれない。
いや、なりたいけれど、この関係を壊したくないのだ。

だって、コレは私の片想いだから。

ci｢あっそー、連れへんやつー。｣

そう言ってチーノは私のジュースをまた飲んだ。

ci｢あ、そう言えば今日って何時まで親御さんおらんの？｣
A『えー、分かんないけど9時以降くらいかなぁ。』
ci｢ほーん…｣

会話が一段落しそうなのでスマホに目を落とす。

ci｢そう言えば…彼氏とかおらんの？ま、いたら家に２人きりはやめた方がいいと思うねんな。｣
A『…いるわけなくね？仮にいたとしたら、相当な物好きだと思うんだよねー』

私が笑いながらそう言うと、チーノも笑って賛同してくる。
うーん、複雑。

ci｢じゃ、好きな奴は？｣
A『……どっちだと思うー？ってごめん。めんどい女みたいになっちゃったwいるよ、好きな人。』

ci｢ほーん、奇遇。俺も。じゃあせーので言お。｣
A『えっ、ここで言うの？』

チーノは私の問いかけには反応しなかった。

ci｢せーの！｣

ci｢A｣ A『……』

ci｢…言えや。おい｣
A『さ、さっきのお返しにね…うん…』
ci｢てかこっち向きぃや…って。｣

私の顔を見た途端にチーノは笑い出す。

ci｢そんな真っ赤なら心配せんくてもええか。
好きやで、A｣
A『…私も。』

ci｢いやー、物好きもいるもんやね？なぁ、A｣

チーノは私の頭を撫でた。

純愛。
多分久しぶりですね。
皆さんはどうお過ごしでしょうか。ﾚﾊﾟさんは知らないので書きません。以上。