愛、哀【wrwrd】【短編集】 (ページ38)

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A目線

優花｢お面、お面さん！！あれ、どうやったら帰せるの！？｣
A『え？何…？』
優花｢あんたが話した日に、お面さんが出たの！それで、私…いりませんって言っちゃって…！！
そしたら、｢俺のお面、受け取ってくれないならいらない｣って…！｣

優花は半泣きになりながらもお面さんについて細かく語る。

A『ご、ごめん…私もあんまり知らなくて…』
優花｢調べても出ないからあんたの悪戯かと思ったけど、家まで来たり、２階なのに窓から覗くなんて出来るわけないから…お面さんはいるんだよ！！！｣

A『…わ、分かんないけど、なんか…気を付けてね…？』
優花｢何で、なんであんたが信じてくれないのよぉっ！！｣

優花はメイクが崩れるのも気にせず泣き始め…いや、メイクをする程の精神的な余裕もないようだ。
珍しくメイクをしてない。

A『今日は、時間だから帰るね。』
優花のお母さん｢…来てくれてありがとうねぇ。雨が降ってるから、家の傘貸してあげる。｣

そう言った優花のお母さんは可愛らしい傘を私に押し付けるように持たせた。

A『じゃあ、お邪魔しました。』

ぱちゃ、ぱちゃ。
私が歩く音に重なって、もう１つ音が聞こえる。
ぱちゃ、ぱちゃ。

A『…っ！』

後ろを振り返るも、人はいない。
安堵していると、前から声を掛けられる。

？｢な。｣
A『ひっ』

驚いて間抜けな声が出た。
けれども、声を掛けてきたのは至って普通のイケメン。

A『ごめんなさい、何でしょうか？何処か行きたい所があるなら、私が案内しますよ！』
？｢お面、いる？｣

A『えっ？』
？｢いるか、いらないか。｣

イケメンはピンク色の瞳をゆらりと揺らした。

A『あ、えっと…』

いらないと言った優花がああなっているならば、いると言えば良いだけ。

A『…いります。』
？｢これで俺のオトモダチが増えんねんな。｣

イケメンは私の顔にお面を近付けてくる。
やな感じがする、やだ、やだ、怖い、怖い！

A『や、やだお母さ、助け……ひ、ぎぐっ、ぎ、やっ、ぁがっがが、』

？｢ありがとう、俺を作ってくれて。オトモダチになってくれて。
でも、俺の名前はお面さんじゃなくて、ロボロ、な。覚えてや。｣

ミキ｢ね、お姉ちゃん！知ってる？都市伝説って作っちゃダメなんだよ。
作られた都市伝説が、作った人を襲いに行くんだって！｣
ミカ｢ミキはそれ系の話好きだねぇ｣