愛、哀【wrwrd】【短編集】 (ページ37)

今日:20 hit、昨日:28 hit、合計:7,899 hit

●作っちゃダメだよ　？？ページ37

名前変更不可の女友達モブ有り

A目線

A『ねえねえ、お面さんって知ってる？』
優花｢なんなのそれ。｣
A『都市伝説。』

優花はメイクをする手は止めずに、｢都市伝説…？それ系の話興味ないから全然知らないや。で、なんなの…その、お面さん？｣とだけ呟いた。

A『被害に遭った女の子の話なんだけど。
雨の日に歩いていたら、イケメンに声を掛けられるんだって。
で、質問をされるの。｢お面、いる？｣って。』

A『で、返答次第では死ぬって感じー』

優花｢……なんか話があやふやだし、作り話でしょ。聞いて損した。｣
A『っ、べ、別に作り話なんかじゃ…！』

顔に熱が集まる。
ちょっと顔が良いからって上から目線な優花を怖がらせるためだけに作った都市伝説だけど、こんなにすぐ怪しまれるなんて。

優花｢はいはい、じゃあ気を付けますよーっと。あ、失敗した。サイアク。｣
A『…信じてくれても良いじゃん。』

優花は横目に私を見て、すぐに目を逸らした。
ああ、こういう所が大っ嫌い。
雨が降りしきる外を見つめて、私は溜め息をついた。

ただ、次の日から優花は学校に来なくなった。
私は今ミキと下校をしている。

ミキ｢もう2週間…インフルエンザじゃないもんね…｣
A『…知らない。彼氏とディズニーでも行ってんじゃない？』

ミキ｢あー、ありそうかも。｣

ミキはクスクスと笑っている。
私がふと右を見てみると、スーパーから出てくる優花のお母さん。

優花のお母さん｢あ！Aちゃん！丁度良かった、娘に…優花に会ってくれないかしら…？｣
A『えっ？』

優花のお母さん｢あの子、A以外とは会わないから、部屋から出ないからっ！って言ってて聞かないのよぉ｣
A『…っ、はい！私に出来ることがあるなら！』

笑ってしまいそうになるのを堪えて、ミキと別れて優花のお母さんに付いていく。
何があったのかは知らないけど、ざまあ見ろ！！
そのまま引きこもりになって、底辺人生でも送ってればいい！

なんて考えているとあっという間に優花の家に着く。

優花のお母さん｢じゃあ、お願いするわね。
優花ー！Aちゃん来てくれたわよー！｣

優花｢…A…？本当にAなの…？｣

優花の部屋から弱々しい声がする。
いつもとは大違いだなぁ。

A『うん、私だよー、Aだよー』
優花｢Aｯｯ！！｣

ドアが勢い良く開いた。