愛、哀【wrwrd】【短編集】 (ページ16)

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●いじめっ子、卒業できて良かったね　zm ページ16

A目線

『ええっと、ここに来た発端…ですね。

ci｢顔色悪いけど…大丈夫？｣
A『最近、全然寝付けなくてさー』
ci｢ほーん、え、なんで？｣

A『夢見悪くてさ…寝るのが怖いし、嫌で。』

そう言うと友達…ああ、チー…橙城千尋からの紹介なんですよね、じゃあ知ってますか…あはは、少し抜けてました～

あ、分かります分かります！千尋って名前可愛いですよね！まあ男だし可愛い名前じゃなくてええわってチーノは言うんですけどねー、誇って良いと思うんですよ、私は。

ごめんなさい、チーノって分かりませんよね…って、あそうなんですね！なら、チーノのままで！
それでチーノは私のことをジロジロと見て言ったんですよ。

ci｢ほんまに顔色悪いし、隈もエグいし、目も死んでるし…｣
A『あはは…』

ci｢あと。食欲もないやろ？いつも俺よりも食べるAが食べ物頼まんとか…おかしいやろ？｣

何だか異様に気まずくて、思わず目をそらしてしまって…

ci｢…俺で良いなら相談乗るけど…｣

A『ごめん、大丈夫。ありがとね、気持ちだけ受け取るよ～、多分…もう少ししたら良くなるから大丈夫！』

って言って、私はチーノに笑って見せたんですけどね。

チーノって良い子なので。まあ、結構ふざけることも多いんですけどね…根が良い子なんです。だから多分、心配してくれたチーノが希さんに相談したんだと思います。きっと。』

zm｢なるほど…ちなみに、夢見が悪いとのことですけども。
どんな夢を見てるかお聞きしても良いですか？｣

A『あー…えっと…ギザギザした歯に…噛み千切られて、それで、カッターとか包丁とかで…メッタ刺しにされるって言う夢を…見ます。』

そう言うと、カウンセラー(志望らしい)の希さんはパッドにスラスラとタッチペンを使って何かを書いていく。

zm｢ああ、すみません。メモを取るので、どうしても話の途中でアイパッドと睨めっこすることになっていて、態度が悪いように見えるかもしれませんが…許してくれると嬉しいです。｣
A『いえ！わざわざメモまで取って頂きありがとうございます！』

そう言うと希さんはタッチペンを机の上に置き、私と目を合わせた。
あ、目の色…黄緑だ、珍しい。

zm｢その夢を見る理由の心当たりはありますか？｣
A『…っ』

聞かれるとは思っていた。
…正直誰にも言いたくないけれど、誰かに言って許して貰って、少しでも楽になりたい。

私はその一心で口を開いた。