愛、哀【wrwrd】【短編集】 (ページ15)

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syp目線

A『おかえり～！』
rb｢あのぉ、鍵ってコレですか？｣

俺はぎょっとして、｢うぇ｣と小さく声を漏らした。
ロボロさんは小さい鞄から、猫のキーホルダーが付いた鍵を取り出した。
……俺といるときに拾っていた様子はなかったということは…

A『これですこれですー！！ありがとうございますぅ…！あの、どこにありましたか！？』
rb｢誰かが見つけてくれてたのか、公園のベンチの上に置いてありましたよぉ～｣

Aはロボロさんを疑うことなく、『本当にありがとうございます～！』と泣き出しそうな勢いでロボロさんの手を握る。

A『あっ、そうだ！
あの、お名前聞いても良いですか…？あと、連絡先交換しませんか！？お礼にお茶とか奢りたいので…！』

rb｢桃宮天って言いますぅ、連絡先…LINEで良いですかぁ？｣
A『はい！もちろんです！』

こう見たら仲の良い女子同士なのに…なんて思うと笑いそうになる。

rb｢あのぉ、もし良かったら今からお茶しませんかぁ、苺のパンケーキが美味しいお店知ってるんです！｣
A『苺のパンケーキ…！ぜひ行きたいです！』

そろそろ俺の役目が終わりそうなので、ロボロさんのLINEに｢俺帰っていいっすか｣と送る。

rb｢…あ、ごめんなさい！連絡が来たのでちょっと失礼しますぅ｣

ロボロさんから｢ええで。ちゃんと後で報酬は払うわ｣と返信が来た。

｢Aのこと、監視したり色々するのは良いっすけど、殺さんといてくださいね。友達なんで｣
これだけは言わんといけんと思ってたんよな。よし、送信っと…

ロボロさんから、ハムスターが親指を立てているスタンプが送られてきた。

よし、これで今日の仕事はお終い。

syp｢今日はもう帰るわ。じゃあなー、A｣
A『あ、ちょっと待って！ショッピもパンケーキ食べようよー！皆で食べた方が美味しいし、全部食べられないんだったら私の分けるから、ね！』

それだとロボロさんとAが２人きりになれんけど…と思い、ロボロさんをチラリと見やった。

rb｢…はい！是非ショッピさんも来て下さい～！｣
A『そう言えば…桃宮さんのこと、なんて呼べば良いですか！』
rb｢何でも良いですよぉ｣

そう言って、クスリとロボロさんは口を隠して上品に笑う。

A『桃ちゃんって呼びます！』
rb｢んー、じゃあ私は、Aちゃんって呼ばせて貰いますぅ｣

syp｢ふっ｣

俺は小さく鼻で笑った。
あー、何だか頭が痛くなってきそうだ。