あふれて、波打つ。 ( ytin ) 完

( 36 ) ページ36

.







俺の自称・微妙な料理をうまいうまいって言って完食した裕翔。




食後の楽しみは、さっき裕翔が持ってきてくれたマカロンとマシュマロと、ワイン




あれ、でもこいつ、飲んで大丈夫なのかなあ。もし電車じゃなくて車で来てたらダメだから、ききたいんだけど。




俺がマカロンに夢中な間、ちょっと不機嫌そうにマシュマロとワインの説明書きに目を通している。




ふふ、かまってほしいのかな。かわいい





「……ミント、」





でも俺がどの味がいいか訊くと、ちらりとこちらを向いて答えてくれる。




うん、俺もそう思ってた。青空みたいな水色が、よく似合う。








「あ、ゆうとワイン飲みたいんだ？」



車で来たか電車で来たかなんて訊くのは味気ないので、ちょっとかっこよく、アルコールの可か不可を訊いてみた。





「…うん」




あ、飲みたいのね。
それじゃあグラスを持ってこよう。たぶん、２つはあった気がする。




俺もちょうど飲みたかったし、せっかく裕翔が選んでくれたんだから。
俺だけ飲むのも申し訳ないから、よかったあ。





これから少しだけ飲んでも、終電には間に合うはず







.






……だけど



そんなことは無かった





「ねえ、いのおさん」


「ん〜」



裕翔が、…俺のため？に、選んでくれたワインは美味しかった。
あんまり、ワインの違いとかはわかんないけど、とりあえず美味しいからいいや





「すっごい、びっくりすること、いっていい？」



「ん…なあに」





そういえば、酔った裕翔は初めて。
そうだ、昨日は俺が勝手に酔って、恥ずかしかっただけだったんだ




人って、酔うと色気増すっていいますよね



こいつ…、危険、

( 37 )→←( 35 ) yt

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す