あふれて、波打つ。 ( ytin ) 完

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簡易的な取材スペースたる所で、まわりの大人に囲まれている彼






顔、初めて見た。





こんなにイケメンだったなんて、知らなかった






いや別に、撮ってる人がイケメンだろうがブサイクだろうが写真の価値は変わらないんだけど






…そうだよ、なんだよみんな、こいつがイケメンだからってメディアに取り上げてさ






ちゃんとこいつの仕事、見てるの？





なんかそこにいる全ての人にイライラしてきてしまう





自分が全て考えすぎなんだけど






くそ、なんで知らなかったんだよ俺。
昔から個展行ってるじゃんかよ






まわりの大人たちに囲まれて笑顔で言葉を交わす少年のような瞳







俺もちょっと興味本位でその人の集団に近づいてみた
そしてその中心を軽く覗き込む







と。





「あ、っ」





目があう。





そして彼は俺を見て小さく驚嘆を漏らした





なんだろ。
俺、知り合い？やっぱ知り合い？





や、でももう逸らされたし。なんだよ…






…そのあともその場は時折笑い声が上がったりなんかしちゃって、盛り上がっちゃってた






もう写真も一通り見たし、いいや。帰ろう






いつもは丁寧に書きあげる感想ノートも、書名だけして、美術館を後にした









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作者です



なんか重い感じがしてますが甘々ハッピーエンドになる予定(笑)なので


見守っていただけると幸いです！

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