あふれて、波打つ。 ( ytin ) 完

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あんな子供じみたやつらとは、あの後とっとと別れて、やっぱりちょっと飲みすぎた脳で帰宅




飲んだ後ひとりになるの、つらいよなあ、あそうだ！電話しよ




スマホを出して通話まであと一歩のところで、ちょっとためらう



そういえばさっき、結構無理矢理、切っちゃったよね。怒ってないかな…？



怒ってたとしても怒ってなかったとしても、まあ、電話かけちゃえば流してくれるよね、さっきの事は




「電話かけちゃえ〜〜」




と。




「…え！」



ディスプレイは突然、今まさに電話しようとしてたイケメンからの着信画面に切り替わる



「…運命かも〜(笑)」



そう思ってへらへらしながら電話に出た



『あ、もしもしいのおさん？』



「ゆうと〜ごめんね？さっきは」



電話の向こうの彼はどんな顔をしてるだろうか、怒ってるかな、笑ってるかな、いじけて、あのムッとした顔になってる、かも



…今、どこにいるんだろう。何、してた？




『…いいよ』



「よかった」



普通にアプリの吹き出しでやりとりしてる時は短文でいいんだけど



電話となると短文はだめだ、沈黙多発



でもこの間とかでさえ心地いいよね。



『ちゃんと家帰れたの？』



「…うん大丈夫だよ、おれ大人だもん」



『そでしたね(笑)』



「ばかにすんなあ」



『ごめんごめん。で、明日、何時頃行けばいいですか？』



俺の仕事が終わるのが何時だから、それからだと…、とか、家がどこかわかんないとか、いろいろ言ってくるけど



でも



別にいつでもいいよ



地図なんかあとで画像で送ればいいし






おまえが来てくれれば、それで




「ねえ、」



『ん？』



「電話したのって、その用事？」

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