【d!】メランコリック・マジック【魔法パロ】 (ページ5)

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「はいはーい！俺！俺シャオロン言いまーす！よろしくな～！」

我先にと出てきた方はシャオロン先輩と言うらしい。ニット帽を被っていて元気いっぱいだ。チーノ君にも似た何かを感じて、お辞儀をしてよろしくお願いしますと返事をする。

「俺ひとらんらんです。よろしくね」

「で、このチビが」

「誰がチビや！ロボロです、よろしゅうな」

「さっきも言ったけど、オプロイテよ」

「寮長のオスマンや。改めてようこそ。4.K居らんし人数少ないから頼りないかもしれんけど、困ったことは何でも言うてな」

優しい笑顔が素敵な寮長さんは部屋の奥に手を向けて、私たちが暮らす部屋まで案内してくれた。
まず皆さんのいるリビング。隣に小さなキッチンのようなところ、お手洗い。小さな階段を上った先に、プレートのかかった数カ所の扉を見付けた。

「二人は向かい合わせの部屋でええかな？Aの隣がオプロイテでチーノの隣がシャオロン」
『ありがとうございます…！』
「了解です！」

少しだけ華やかさの残るシンプルな部屋に荷物を置く。服を掛けられるタンスや勉強机、ベッドなど、十分に生活できそうな内装だ。

「んじゃ教科書と体操服貰いにいこか！」
「シャオロンこのあと何もないみたいやし連れてったって」
「野球部今日練習無いんだ」
「今日は午後練だけやで～」

シャオロン先輩に呼ばれて再び扉の前に立つ。チーノ君もやってきて、行こ行こと誘われて部屋を出た。

＊＊＊

「おばちゃん1.Kの体操服頂戴やー」
「あらシャオロン君じゃないの、偉いわねえ先輩みたいで！何人分かしら？」
「先輩みたいちゃうわ先輩や！！2人分！！」
「はいはい～」

ひたすら着いていくと家庭科室のようなところにつき、既に何組かが体操服を受け取っていた。紺色のシンプルな体操服だ。
「お嬢ちゃんたち、シャオロン君はよく体操服汚して無くして私の常連さんなのよ～困った先輩よねえ」なんて言われ思わず苦笑いをするが、チーノ君は面白そうな顔で「へ～え？？？そうなんすかあ」と楽しそうだ。

「お前、今俺が無くして焦ってるとこ想像したやろ」
「何の話っすかね…っふふ」
「人の不幸を笑うなや！」

おっとっと、チーノ君そういう人だったのか

「笑わんといてくれんのAだけやんけ！行くでA、教科書受け取りに行くで」
『はい…………大変ですね』
「同情せんといて！！！」

くすっと笑ってしまった。