リスタート。【としみつ】

第27話 ページ27

あなたside





「…ずっと…好き。
　今も好き」



そんな言葉を言いながら、
昔のとしくんとの記憶を思い出し、
涙が出てくる。


『やっぱAの笑ってる顔好き』


『俺手握ったら絶対離さんんからね！？』




『俺はAの顔しわっしわのおばあちゃんになっても好きな自信ある』




たくさんのとしくんが出てきて、
涙は止まることを知らないくらいにあふれ出る。




「…私が病気にならなかったら…今でも付き合えていたのかな」



そんな私の思いをりょうくんは黙って聞いてくれていた。

そしてりょうくんはゆっくりを口を開く。




り「…なんで病気だったら付き合っちゃいけないの？もう完治してるんでしょ？」


「…でも私…子ども産めないんだよ？
　転移とかしてたら…またとしくんに迷惑かけちゃう…
　それにとしくんは子供ほしいって言ってたし…」


り「だから？」



りょうくんの質問攻めに、
りょうくんの顔を見ることができずうつむきながら答える私。





「…私…としくんに幸せになってほしくて！私といたら幸せになれないから！」




私がそう言って顔を上げると、
りょうくんは優しい表情をしていた。

意外な表情に少し驚く。



り「…としみつにとってさ、幸せってなんだと思う？」



「…え？」



り「Aが本当にとしみつの幸せを願うんだったら…もっとすべきことがあると思うけどね？」



りょうくんがちょうど言い終わった後に、
店員さんがテーブルにビールを持ってくる。





ー…もっとすべきことー…？




私は



まだりょうくんの言葉の意味がわからずにいた。

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