EN王国のお姫様 (ページ9)

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ニキにエスコートされて中へ入ってみると、キラキラと輝くシャンデリアに、色とりどりのドレスを纏った女性達。
それに、ダンスを踊る男女の姿があった。

『何度見ても慣れないな…この華やかさ。』

パーティーには様々な思惑をもった人が参加する。
政治的な意図を持って人脈作りに励む人もいれば、素敵なパートナーを探しに来る人もいる。
ソンフニオッパは、どちらかと言えば前者だ。
私たちが住むEN王国はとても平和な国だけれど、その平和はいつまで続くかわからない。
同じ国の中でも、外でも、ソンフニオッパはできるだけ交友関係を広めるためにパーティーにも積極的に参加をしている。

そんなソンフニオッパには女性のファンも多いみたいで、気づけばあっという間にお姉様方に囲まれている。
大変なんだなあ、イケメンっていうのは。

「あ、A見てよ！めっちゃ高そうなお肉ある…。」

『それに比べてニキって本当に自由だよね。』

「Aに言われたくないんだけど。」

色気より食い気というやつか。
さっきからニキもソンフニオッパに負けないくらい女性から熱い視線を集めているというのに、綺麗なお姉様方には目もくれず、私の耳元でこっそりご馳走の話をしている。
黙って立ってるだけで絵になるニキってホントに得してるというかなんというか。

そうやって、ニキと内緒話をしていると、わっと会場が盛り上がった。
会場の入口付近には人だかりができていて、なんだか少し騒がしい。
一体何があったのだろうか。

「すみません、道をあけていただけますか？」

特徴的な、よく通る声がしたと思うと、さっきまで出来ていた人だかりに1本の道が出来た。
そこから颯爽と現れたのは、真っ白なスーツに身を包んだ、”王子様”だった。

私でも何を言ってるんだろうって思うけど、本当に彼は堂々としていて、まさしく王子様だったから、あれが噂の隣国の王子なんだって一瞬でわかった。
ソンフニオッパもかっこいいけど、彼はまた、なんだか少しオーラが違う。

じっと彼から目を離せずにいると、彼とばちりと目が合った。

『……！』

そのまま少し微笑んだ彼は、そのまま主催者である人の元へと行ってしまった。

『ひぇ…すんごいオーラだっだね…』

「…なんかA見られてなかった？」

『え、やっぱり？私の自意識過剰かと思ったけど…』

「なに、好きなの？あの王子。」

『そんなんじゃないけどさ…』

なんだか目を引いてしまうんだよなぁ、なんて。