EN王国のお姫様 (ページ50)

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「思い出にしていいよって言ったらズルすぎか、こんなことしておいて。」

『え、今の──』

「キスなんて、するつもりじゃなかったのに。煽ったのはAだからね？」

ほらやっぱり。
忘れさせてなんかくれないじゃないか。

「僕はね、キミ以外何も要らないんだ。」

そうやって、甘い言葉で、私の心を惑わして。
私ばっかり考えるようにさせるくせに。

「さよなら──どうか、幸せになって。」

そうやって、優しいフリをするんだ。

『待って──』

手を伸ばしても届かない。
さっきまで感じていた温もりが、窓から入って来る風によって攫われてしまう。
部屋に、窓のカーテンがゆれる音だけが響いた。

夢だったんじゃないかと思うほどに幻想的で残酷だ。
ブレスレットを付けた腕を胸に握りしめる。

落ち着いて、考えなければ。
戦争が始まる──。
残された時間は24時間を切っている。

私は靴も履かずに部屋を飛び出した。

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作者のはるひです。はじめまして。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

妄想を人知れずぶちまけるだけのはずが、こんなに沢山の方に読んでいただけるとは思ってなくて、嬉しい半分恥ずかしい半分…
亀更新ではありますが、ハートやお気に入りを励みに、こんな私でも50話まで書くことができました。

このまま続編に移行するのですが、予想されている通り、シリアスパート祭りの予定です(正直これが書きたかった)。
ただ、ハピエンにすることは確定してるので、安心してください！

こういう作者のコメント的なのも書かずに、走り抜けても良かったんですが、皆さんが誰推しなのか気になりすぎて(笑)
誰ルートに進むか、はたまた全ルート分岐させるか、ルートに入らず終わらせるか…悩みますね。

続編もゆるりと進めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

はるひ