EN王国のお姫様 (ページ47)

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「はぁ。ジェイク王子のこと、僕実はちょっと推してたんだけどなあ。ニキには内緒だけど。」

『ソヌオッパ、ジェイクオッパがタイプなの？』

「お城を連れ出してくれるとか、そんなの王子様すぎるじゃんか！ロマンチックだし！」

『ソヌオッパ、そういうの好きそう』

EN王国には、再び平和が訪れようとしていた。
ソンフニオッパの一件からある程度時間が経ち、国民はソンフニオッパを次期国王として認め、より一層オッパへの信頼を高めている。
ヒスンオッパの株も鰻登りで、今やヒスンオッパへの求婚が後を絶たない。
ただレイラ王国との関係だけが、モヤモヤとした終わり方のまま音沙汰がない状態が続いている。

私はジェイクオッパが現れるまでの日常に逆戻りで、日中は1人でジェイオッパの授業を受け、夜はソヌオッパと世間話。

「僕はAのこと心配してたんだよ？お城の外にはたくさん面白いことがあるのに、ずっと窮屈なお城の中。僕だってAを連れ出してあげたかったけど、立場ってものがあるじゃん？」

『そうだったの…？』

「みんなAのことが大好きだから、お城から出してあげられなくなってたけど、ジェイク王子はなんていうか、Aを楽しませてくれてたじゃない？ジェイク王子はAのこと沢山考えていてくれてたんだろうなぁって。」

どっちも、Aを大切に思ってのことだけど、僕はジェイク王子派かなあ、なんて笑うオッパ。
ジェイクオッパは忘れていいよなんて言ってたけど、あの日街でお互い身分なんて忘れて歩き回ったことは、今でも目を瞑れば鮮明に思い出せる。
私のかけがえのない思い出なんだ。

『私…ジェイクオッパのこと信じる。』

アクセサリーを入れている1番上の棚から、あの日もらったトパーズのついたブレスレットを取り出した。
これを付けていれば、ジェイクオッパと繋がっていられる気がするから。

「綺麗な石…トパーズだね？トパーズは太陽の石とも呼ばれてて、“希望“っていう意味もあるらしいよ。」

『太陽の石…希望…ふふ、本当にジェイクオッパみたい。』

「やっと顔が明るくなったんだから。ほら、そろそろもう寝ないと！」

『そうだね。ソヌオッパ、ありがとう。』

「僕はいつだって姫の味方だよ。良い夢を！」

暗くなった部屋で目を閉じる。
ブレスレットが私に希望をもたらしてくれますように、と願いながら。