EN王国のお姫様 (ページ42)

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『2人とも一旦ストップ！！』

私を置き去りにして2人だけで進んでいく会話に割り込む。
なんで会って早々戦闘モードなのか知らないけど、正直今はそんなのどうでもいい。

『オッパ、単刀直入に聞きます。オッパは…ソンフンオッパと私に血の繋がりがないことは知ってますよね？』

「もちろん。ソンフニヒョンから直接聞いたよ。」

『じゃあ……そのことを、誰かに話しましたか？』

ジョンウォンオッパが自らあんなことをするなんてやっぱり考えられない。
あるとすれば、誰か他の人が知ってしまった可能性。
むしろ、そのことを願っている自分もいる。

「いや、僕は誰にも言っていないよ。血統は、王族にとってはデリケートな話だし…自分たちが気にしてないからって、国民が気にしないとは限らないからね。」

『そうですか…』

この言葉を信用…して良いんだよね。
ニキの方をちらりと盗みみると、ニキはまだじっとジョンウォンオッパを見つめていた。

「実は先程、EN王国でビラが撒かれたんですよ。ソンフニヒョンは王様の実の息子じゃないっていう、悪意のある文面で。ぶっちゃけ、貴方が関わってるかって話です。」

『直球すぎないニキ？！』

デリカシーってもんがないのかニキ！！
流石にオッパ怒るよ？？キレちゃうよ？？

恐る恐るオッパの方を見る。

「ふははっ！いや〜、清々しいほどストレートだね。」

めちゃくちゃ爆笑してる。
ニキのストレートさがツボに入ったみたい。
これはこれで良かったのかな…？

「僕は関わってないよ。神に誓える。僕がソンフニヒョンを王の座から引きずり下ろしたり、EN国の混乱を引き起こしたって、何の利益もない。マウム王国は小さい国だから、戦争なんてしても負け戦にしかならないし。」

スラスラと話すジョンウォンオッパは、理論的で、理由を聞けば、確かにそんなことをする動機もないかと頷ける。
ニキも納得したのか、少し肩の力が抜けたように見えた。

『ジョンウォンオッパの口からその言葉が聞けて安心しました。オッパがそんなことする訳ないって思ってはいたんですけど、どうしても確かめたくて…』

「僕はAが思ってるほどいい人じゃないよ。目的のためなら手段を選ばない時もあるし、欲しいものは手に入れたい。」

席を立ち、ゆっくりと私たちに近づくオッパ。
ニキがぐい、と私を引き寄せた。

「なんでも手に入ると思わないで下さいよ。」

「守れるものならどうぞ？」

オッパは不敵に微笑んだ。