EN王国のお姫様 (ページ39)

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『オッパ、なんだかすごく王子みたいだったよ。』

「え〜、王子なんだけどな、僕。」

舞台から降りれば、いつもみたいにへらりと笑うオッパ。

「ヒスン王子…いつからこの作戦を？」

『作戦…ってどういうこと？』

「ヒスン王子はこうみえて切れ者なんだよ。政治の時なんかほとんどヒスン王子の案だしな。」

ジェイオッパがなぜかドヤ顔でヒスンオッパを褒める。
こうみえてって結構ディスってるけどね王子のこと。

「正直、ソンフンのことはいつかはバレるだろうと思ってたよ。自ら言うほどのことでもないから黙ってたけど、バレた時のためのことはずっと考えてた。」

『そうなの？！』

「ソンフンが国民から反感を買わないようにするためには、ソンフンに実績を作らせるしかなかった。だからソンフンには表舞台に立ってもらってたんだ。もちろん、僕よりもソンフンの方がそういった立ち回りが向いてるってのもあるけどね。」

『オッパそれってつまり……』

最初から全部手のひらの上ってやつじゃん……！？
同じ血が通ってるとは思えないんですが？？

「ま、これで一件落着…といきたいところだけど、このビラを撒いた犯人を探さないとなんだよなぁ。」

『犯人…』

私たちに完全に悪意を持った人物。
そこに上がるはずがないと思っていた2人の人物。
考えても考えても、やっぱり納得がいかない。
ジョンウォンオッパも、ジェイクオッパも、知り合ってからまだ間もない2人だけど、私は2人が悪い人だとは思えない。

『犯人探し…私にさせてくれないかな。』

「Aが？それはちょっと危険じゃない？」

『私はやっぱり、ジョンウォンオッパもジェイクオッパも信じたい。2人じゃない真犯人を証明したいの！』

わがままで、能天気だって思われるかもしれないけど。
それでもやっぱりこの目で確かめたい。
それに、ヒスンオッパがソンフ二オッパのために一肌脱いだんだから、私だって役に立ちたい。
じっとヒスンオッパを見つめると、オッパは仕方ないな、と私の頭を撫でた。

「僕も2人のことは信じてる。仮に彼らが関わっていたとしても、何か理由があるんだと思う。Aになら話してくれる可能性もある。…2人と話をするだけなら、僕は許可を出すよ。」

ソンフンがなんて言うかわからないけど、とヒスンオッパは肩を竦めて苦笑いした。

「ジョンウォン王子は今日の夕方、会議のために議会に出席予定だ。」

「さすがジェイ！じゃあそこに突撃だね。」