EN王国のお姫様 (ページ37)

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ジェイオッパの言う通り、一度部屋に戻った。
きっとソンフニオッパなら大丈夫だよね？
ジェイオッパもいるし、きっと国民の皆も分かってくれる。平和なEN王国なんだから。

そうは思っていても、部屋の外から聞こえる慌ただしい声や足音を聞いて、居てもたっても居られなくなった私は、部屋を飛び出してオッパ達の元へと向かった。

『ソンフニオッパ…！』

「A…部屋で大人しくしてろってジェイに言われただろ？」

『こんな時に無理だよ…』

「大丈夫だから安心してなって言いたいところだけど……こうなった以上、最善の方法は俺が次期国王にはならないと公言することなんだと思ってる。ヒスンヒョンがなるべきなんだよ、やっぱり。」

ソンフニオッパはそれでいいの？
でかかった無責任な言葉をすんでのところで飲み込む。
何も解決策を提案できない私が、政治を知らない私が、言っていい言葉なんてなかった。

「演説の準備は必須だな。1時間後に、城の前で行えるよう準備をしてくれ。」

ジェイオッパの指示で、集まっていた従者達はそれぞれ動き出した。
晴れない気持ちのまま、部屋に残った私たち3人。

「さて。それよりも問題なのは、このビラを一体だれが用意したのか。」

「あぁ。そもそも、ソンフン王子が王様の実の息子ではないことを知っていた人は限られている。この城の人間以外なら…レイラ王国のジェイク王子と、マウム王国のジョンウォン王子だな。」

「どちらも動機はある…か。」

『ちょ、ちょっと待って……！なんでその2人が…？』

オッパ達が犯人だなんて、そんな訳がない。

「まずこの文章。所々、主語がEN王国ってなっているだろ？この犯人がうちの人間なら、わざわざ国名なんて書かずに、国とだけ書くはずだ。つまり、これを書いた人間は他にいるってことになる。」

「このことを教えたのは、ジェイクとジョンウォンだけ。そして、この文章を書いた人の目的は多分…EN王国の中で混乱を起こして国力を下げること…なんだと思う。」

『そ、そんなことしてどうするの…？』

段々と心拍数が上がり、息がしづらくなっていくのを感じる。
なんで、まさか──。

「戦争で勝つため…だろう。」

ジェイクオッパが築こうとした未来が戦争なの…？
それとも、ジョンウォンオッパがEN王国を見て考えてたことがこの計画なの…？
2人は私たちの敵なの──？

誰か、これはただの夢だって言ってよ。