EN王国のお姫様 (ページ33)

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「妹を守れる兄になるって決めたんだよ。」

『…やっぱり、私の自慢のオッパです。』

血の繋がりなんて関係ない。
一緒に過ごしてきたこの時間だけが、何にも変え難い思い出で、私たちが兄妹だってことを証明してるんだ。

「あ、見つけた！って、何があったんですか、ソンフニヒョン！」

「もう〜、ソンフンが走って行っちゃうからこっちは2人探す羽目に…」

『ジョンウォンオッパ！ヒスンオッパ！』

そうだった。
私は迷子になっていたんだった。
こちらに駆け寄ってくるオッパ達も、少し息が上がっている。
必死に探してくれたのだろうと思うと、申し訳ない気持ちになった。

「Aが絡まれてたけど、もう大丈夫。でももう絶対に手離さないから！」

「は？なんですかその無礼者は。今すぐ探し出して打首に…」

『王子が言うと冗談に聞こえないんですが？！』

なんでこうもオッパ達は血の気が多いのかな。
ソヌオッパとかを見習ってほしい…と言いたい所だけど、ああみえてソヌオッパも血の気が多いしな…
やっぱり穏やかなのはヒスンオッパくらいだなぁ。

「アイツ、Aのこと面倒臭い女とか抜かしてたよな…本当、思い出しただけでもストレスなんだけど。」

「よし、消そうか！」

『ヒスンオッパ？！』

そんな満面の笑みで言うことですか？！
どうしよう、収集つかないよこのオッパ達。

「それだけAが大事ってこと。いいか？よーく聞くんだぞ。これから先何があっても、俺も、ヒスンヒョンも、Aの兄だから。誰にもお前を傷つけさせたりしないよ。」

「いいこと言うね、ソンフン。」

「良いとこ取りずるいですよヒョン！僕だって…そうだな、この命に変えても君を守ってみせるよ。」

『もう！そんな不穏なこと言わないで！私は皆とずっと一緒に居られたらそれで十分だもん。』

色々とハプニングはあったけど、その後は皆で買い物をして、レストランで食事をして無事に城に戻った。
楽しい時間は一瞬で、ずっと今が続けばいいのにと思っても、いつかは終わりが来てしまうもので。

充実した旅行も、ついに終わりだ。
ジョンウォンオッパと離れるのは少し寂しいけど、いつでも旅行においでと言ってくれているし、これからは沢山会いに行けるといいな。

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「EN王国の次期王様であるソンフン王子は、王様と血の繋がりがない…。うむ、これは我が国にとって有益な情報だ。良くやった、──。」

「いえ、全ては我が国のために。」