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「ふふ、むにゃむにゃしてる…かわいい…」
寝返りをうつと、布団がいつもと違うことに気づいて頭が覚醒する。
誰かの声が聞こえたような気がするけど……あ、ヒスンオッパの所で寝てたんだったなぁ。
『って、ジョンウォンオッパ!またですか?!』
「おはよ〜、Aの寝顔はどれだけ見ても飽きないね。」
いつから見てたのかは怖いから聞かないでおこう。
それにしても心臓に悪いな…
『あれ、ヒスンオッパは…?』
「ヒスンヒョン?ヒスンヒョンの部屋は向かい側だけど?」
昨日私はそのままヒスンオッパの部屋のベッドで寝たはずだったのだが、ジョンウォンオッパの言う通り、確かにここは私にあてがってもらった部屋だ。
もしかすると、私の名誉(?)のために眠った私をヒスンオッパが部屋に運んでくれたのだろうか。
「…もしかしてヒスンヒョンと一緒に寝たの?」
『あ、えと、そうです…はい』
「えー!いいなぁ。あ、じゃあ今日は僕と一緒に寝ようよ。」
『え?!』
ダメなの?と有無を言わせない雰囲気で見つめてくるオッパ。
いやいや、ダメですよね…?
流石の私でもわかります。というか、緊張して眠れる訳がないもんそんなの。
何とかジョンウォンオッパを上手くかわせる言い訳はないだろうか。
『ヒスンオッパは、家族だから安心するというか…眠れるというか…?』
「じゃあ家族以外とは一緒に寝てないんだ?」
『…………』
いえ、ニキとは寝てます。
…とか、言える訳がないじゃん!!!!詰んだ!!!
完全に目が泳いでしまってるし、何なら冷や汗もかいてる。
墓穴を掘った私に、バカなの?と言ってくるニキの幻聴まで聞こえてきてます、はい。
「…Aって本当に嘘がつけないんだね。」
『うぅ…』
「一緒に寝るのは冗談だから安心して。僕の方がまだ心の準備が出来てないというか、自分を信じきれてないから…」
これに関してはニキくん凄いと思うよ、と遠い目をしたジョンウォンオッパ。
ニキの話はNGだったみたいだけど、なんとか耐えたみたい…?
それにしてもジョンウォンオッパはさらりと冗談を言ってくるから本当に心臓に悪い。
『オッパにドキドキさせられっぱなしですよ…』
「それは光栄だね。で、いつからこのお城に住むの?」
『ひぇ…』
このオッパ、絶対ドSです。
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作者名:はるひ | 作成日時:2022年11月13日 21時