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「どう？絶景でしょ？」
『あれって…うちのお城？』
ジョンウォンオッパが私に見せたかった景色。
それは、マウム王国とEN王国が見渡せる、見晴らしの良い景色だった。
1歩踏み出すだけで、まるで違う雰囲気の2つの国。
そんな2つの国を上から眺められるこの場所は、絶景と言う他以外に言葉がみつからない。
「ここは僕のお気に入りの場所で、よく考え事をするときに来てたんだ。ここに来ると、この国の人達も沢山見えるし、EN王国だって見えるでしょ？そうすると、僕って1人じゃないんだなあって感じるんだよね。」
ジョンウォンオッパがどんな表情でその言葉を言ったのかはわからないけれど、きっと今まで、孤独を耐えてきたんだろうなと推測することはできた。
パーティで注目はされていても、オッパはいつだって王子様で、その中身が同じ人間であることを誰も考えようとしない。
私には、2人のオッパと、幼なじみと、お世話をしてくれる面白いオッパ達がいる。
それでも、外に出たい、学校に行きたいと人との繋がりを求めていたんだから、ジョンウォンオッパがどれだけ孤独に耐えてきたのかと思うと、胸が痛んだ。
『…私、ジョンウォンオッパともっと仲良くなりたいです。きっと、オッパが抱えてきたプレッシャーとか、孤独感とか、分かるなんてことは一生ないだろうけど…。それでも、少しでも力になれたら嬉しいです。』
「…！Aは僕を心配してくれるの？」
『心配…というか、オッパが失敗したり間違えたりする未来は想像つかないですけど、でもオッパの努力が知られていないのは嫌です。』
ヒスンオッパは、ジョンウォンオッパのことをカリスマ的なリーダーだって褒めていた。
影ですごく努力してるはずだけど、僕達にはそれを見せてくれないから、と寂しそうに笑って。
同じ王子だけど、年下だからちょっと遠慮があるのかもね、とも言っていた。
それなら、私はジョンウォンオッパの影の努力を労って、違う国だとしても支えられたらなと思ったんだけど…余計なお世話だった、かも？
『なんて、思ったんですけど…ちょっと調子に乗りすぎですかね？』
「いや、すごく…嬉しい。僕を僕として見てくれる人なんて、なかなか居ないから…本当に、びっくりした。でも、本当にいいの？」
ジョンウォンオッパはそういうと、ぎゅっと私を後ろから抱きしめた。
「そんなこと言われたら、僕はAともっと仲良くなりたいって思っちゃうけど。」
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作者名：はるひ | 作成日時：2022年11月13日 21時
