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『服と、帽子と、パジャマと…あ、ソヌオッパが用意してくれたスキンケアセットも持っていかないと…！』
「…本当に明日から行くの？」
旅行カバンを広げて初めての荷造りをする。
そして、私のベッドで退屈そうに寝転がっているのはニキだ。
『うん！ヒスンオッパとソンフニオッパも来るらしいから、家族旅行？みたいなもんだけど。ニキも来れたらよかったのにね。』
「さすがに練習は抜けられないし、今回はちゃんとした護衛もつくから俺の出番はないし…」
最悪だ、と呟くニキ。
そんなにマウム王国に行きたかったのか。
『今回はちゃんとニキにお土産買ってくるから！』
「…何も分かってないな、本当に。」
『え？要らないの？』
ニキや、そうやって本当にお土産買って帰らなかったら拗ねるの、私分かってるんだからね。
じっ、とニキを見つめていると、ため息をついて私の隣に座るニキ。
「ねぇ、お揃いで買ったイヤリング、まだ持ってるよね。」
『？もちろん。16の誕生日に、ニキがくれたやつでしょ？』
それまで誕生日プレゼントといえば、お菓子とかぬいぐるみとか、ハンカチとか。アクセサリーを貰ったのは、この前の誕生日が初めてだったからよく覚えている。
しかも、ニキも自分への誕生日プレゼントでお揃いのイヤリングを買ったらしくて、お揃いのものを付けるっていうのはしたことなかったから私はすごく嬉しかった。
「そのイヤリング、付けて行って。」
『なんで？』
「それは…そう、これ、お守りだから。Aが王子の前で変なことやらかさないように、とか。魔除けだよ魔除け。」
『なにそれ！やらかさないよ！』
そう言われるとなんだか逆らいたくなるけど、珍しくニキがお願いだから、と懇願するから、いいよと言ってしまった。
「こんなに待ったのに、抜け駆けされたらたまったもんじゃない…」
『なに？旅行の話？』
「…お土産はAが選んできてよね。」
『当たり前じゃん！』
ニキと話しながらも旅行の準備を終える。
お土産を買うなら、少しはスペースを残しておかないとね。
「…今日ここで寝ていい？」
『いいけど…久しぶりだね？』
「…Aの寝相が悪いから。」
『ニキの方が酷いじゃん！蛇みたいに絡みついてくるし！』
「…してない」
『してるよ！』
「してない！」
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作者名：はるひ | 作成日時：2022年11月13日 21時
