EN王国のお姫様 (ページ21)

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「ノムキヨウォ…」

朧げな意識の中で、どこかで聞いたような声がした。
起きないとと思うけど、その声すら心地よくてまた意識を手放しそうになる。

『んん……？』

たまたまうっすらと目を開けた先に、ぼんやりと影が見えた。
ジェイオッパ？
それにしては、いつまで経っても布団を取り上げられないんだけど…ってことは──

『泥棒！！！！！？』

「ﾖｲ…泥棒じゃないよ〜！」

あっはは、とひとしきり笑って、おはようと微笑む人物。
それはとびきり目が覚めるようなサプライズゲスト。

『ジョンウォン王子？！』

「あに。ジョンウォンオッパ。」

『いやそこですか？！それよりなんで私の部屋にオッパが？？』

正直、ジェイクオッパが居るならまだ分かるよ？
だって今ここに住んでるし。
でもジョンウォンオッパはマウム王国に居るはずでは？
それがどうして私の部屋に。意味がわからない。

「ん？だって今日は、EN王国とマウム王国の会談だから。その間、僕はAとお話しようと思って。」

もちろんジェイヒョンには伝えてきたよ？と笑うオッパ。
何やってるんだ、パク･ジョンソン。
アンタの姫は寝顔を王子に見られて恥ずかしさで死にそうなんだが？？
そういえばヒスンオッパが、ジェイはジョンウォンに甘いって言ってたような…

『…とにかく、着替えてきてもいいですか…？』

いつまでもこの醜態は晒せない。

「もちろん。僕は後ろ向いて待ってるね。」

出てかないのこの王子？！
まあ、もうどうにでもなれ…！

顔を洗ってスキンケアをして最低限のメイクを施して着替える。
こういう予定がある時はソヌオッパに決めてもらうから服に迷ったけど、とりあえず1番お気に入りのブルーグレーのワンピースにしておいた。

『あー、オッパ。もういいですよ？』

鼻歌を歌って待っていたジョンウォンオッパに声をかける。

「わぁ…！Aは寒色系が良く似合うね？あっ、このネックレス合うんじゃない？」

そう言うと、オッパは正面からぐるりと腕を回す。

『っ…！』

「あ、こら。逃げないの。」

思わず後ろに下がろうとした私を目ざとく注意すると、器用にネックレスをつけて私の髪の毛を優しく整えてくれた。
こういうときって息止めちゃうよね。

「うん、かわいい。Aはブレスレットよりも、ネックレスが似合うよ。」

『え…？』

「んー？なんでもなーい。ほら、朝ごはん食べに行こ？」

すっかりオッパのペースになってしまったようだ。