EN王国のお姫様 (ページ15)

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「EN王国の特産品といえば…じゃあ、ジェイク氏。」

「小麦！」

「正解！」

「EN王国は自然豊かだから、農作物がすごく豊富だよね〜」

『お〜ジェイクさん物知りですね。』

留学生活2日目。
私はジェイク王子と一緒にジェイオッパの授業を受けている。
いつも１：１の授業で飽き飽きとしてたいたけれど、2人だと勉強も少し楽しい。

「うちの国は自然が少ないから羨ましいな〜。そのかわり、工業は負けてないけどね！」

「互いの国の良いところを伸ばして、苦手なところはカバーし合う必要がある。その為にも、貿易はお互いにとって必要不可欠なんだ。わかったか？A。」

『win-winってやつだね、オッパ』

「まあ、そうも上手くいかないこともあるが…、基本そういうことだ。ちなみに、マウム王国は農業も工業もどちらも平均的だな。どちらかといえば文化的な発展が大きい。」

こういう産業の話って難しくて苦手だけど、ジェイク王子やジョンウォン王子と知り合ってからは少し身近に感じられる部分もあって少し興味が湧いてきた。

「そういえばEN王国ってもうすぐお祭りがあるんじゃなかったっけ？」

『お祭り…もしかして、エンジンマーケットのことですか？』

この国では特に農作物が豊富に採れる時期があり、その時にはとても大きな市場が開かれるのだ。
野菜や果物が格安で売られていたり、この土地ならではの料理が売られていたりする。
すごく賑わっていて楽しそうなイベントなのだが、私はまだ行ったことがなくて、毎年城から夜にあがる花火を見るだけだった。

「それ！Aは行ったことあるの？」

『それがないんですよね…』

「そうなんだ…」

ジェイク王子は、そっかあ、と何か考え込んでしまった。
お土産話の1つや2つでもあったら良かったんだけど。

「その日は他の国からも沢山人がやって来るから、お前ら大人しくしてるんだぞ？フリじゃないからな？」

『わかってるよー』

もうマーケットに行くのは数年前に諦めている。
オッパ達を説得しようと試みたけどダメだったので、ニキに買ってきてもらって少し冷めたピザをお城の中で食べたのは記憶に新しい。
ニキにとってはなんて事ない日常なんだろうけど、自由に行動できるニキはすごく羨ましかった。

私も本当は、美味しいものを食べて、雑貨を見て…
そんな普通の女の子の生活に、まだちょっと憧れてるんだよなあ、なんて。