EN王国のお姫様 (ページ13)

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従者を撒いてまで行きたいところってどこだろう。
私は今のところ、ジェイオッパの授業をサボったことはないし、王子が抜け出すところあるあるなんて全く想像がつかない。
でも、私がもし抜け出すなら、やっぱり息苦しくないところがいい。

そういうわけで、私は中庭に向かった。
外の空気を吸うのが、結局1番リフレッシュになるのだ。

中庭に出てみると、何やら話し声と金属がぶつかる音が聞こえてきた。
誰かが剣術の練習でもしているのだろうか。

「上手いですよヒョン！」

「ほんと？最近ちょっと練習してるんだよね〜」

「騎士になりたいんですか？」

「ん〜それもありかもねぇ」

爽やかに汗をかきながら運動をする騎士の方がいるようだ。
私は体力がないから、騎士さんはやっぱりすごいなぁ…

『って、ニキ！またここにいたの？？』

知らない騎士の方かと思えば昨日ぶりの幼なじみ。
昨日は髪をあげてスーツをかっこよく着こなしていた訳だが、今日はいつも通り騎士のニキである。

「あ、A！今日も休憩に来たら、たまたまこのヒョンと会って…そういえば留学生？なんだって。」

『え』

言われてみればたしかにニキの隣にいる人は騎士の格好ではない。というより、むしろ貴族の格好。
ジャケットはそこらに投げ捨てられてあって、シャツを捲って剣を持っている。

『ニキ…、多分この方はレイラ王国の王子だよ…。』

「王子？！…ヒョン、留学生って言ってたじゃないですか！」

「嘘は言ってないよ？(王子の)留学生だからね。」

じゃないと剣貸してくれないでしょ〜と笑った王子は、私に向き直った。

「挨拶が遅れてごめんね？EN王国に来るの久しぶりだからはしゃいじゃった！僕はシム･ジェユン。皆からはジェイクって呼ばれてるから、気軽にジェイクオッパって呼んでね。」

『私はイ･Aです。えっと…そろそろ戻りますか？』

「んー、そうだね。ニキともっと遊びたかったけど…従者達怒ってるだろうし…」

ジェイクさんはなんだか犬みたいだな。
綺麗な金髪で、黙って立っていたらすごく王子なんだけど、こうやって動いていると、なんだかそう感じる。
ジェイクさんは、戻ったら怒られるかなぁ、なんて正直分かりきったことを言ってジャケットを拾い上げた。

「ニキ、また今度剣術教えてね！ニキに勝てるように練習しとくから！」

「バカですか？！王子にそんな危険な遊びさせられませんよ！」

「もう今日したんだから一緒だよ。共犯だね。」