EN王国のお姫様 (ページ12)

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夢のような1日だった。

あのあと、ジョンウォンオッパ(さん付けで呼んだらすごく悲しそうな顔をされた)は、また近々会いに行くね、と言うと、従者の方を連れて行ってしまった。
オーラがあって近づきにくい印象だったけど、話してみると意外と人懐っこい人で、歳上だけどちょっと可愛いななんて思った。
ソヌオッパも可愛いなと思うけど、また違う種類の可愛さというか。

そんなことをぼーっと考えているとニキが戻って来て、探したんだけど、と怒られてしまった。
結局、女の人の悲鳴は酔っ払った公爵に絡まれた際に叫んだもので、それで公爵も我に返って事なきを得たらしい。
どちらかといえばこっちが一大事だったというわけだ。

そんなわけで、怒涛の1日を終えて、また新しい1日を迎えている。
今日は確か…

「留学生として迎え入れる王子が到着したぞ。応接間で顔合わせするから早く来いよ〜」

そう、これから一緒に勉強する仲間が来る日だった。
昨日は昨日でマウム王国の王子であるジョンウォンオッパと会った訳だけど、今日はレイラ王国の王子と初対面。
逆に、なんで今まで会ったことないんだって話なんだけど、これは正直、うちのアッパもオッパも過保護だったからって理由だけだと思う。
私は政治と関わることなんて殆どなくて、いつも城の中で過ごしていたから、まだこの国を出たこともない。

そう考えると、ジョンウォンオッパも、今日来るという留学生の王子様も、外の国を見れるのは少し羨ましい。

『ジェイオッパ、留学生の王子様って、どんな人なんだっけ？』

「あぁ、かなり自由だって噂で────」

「大変申し訳ありません！王子に撒かれてしまいました！！」

勢いよく扉が開かれたかと思うと、息を切らして報告する従者であろう方。
まかれ……え？

今、王子が従者を撒いたって言った？？

「EN王国に来るのは久しぶりということだったので、私含めて3人で見張っていたんですが、一瞬の隙を付かれて外に……」

「心中お察しします…。我々も王子を探しますので、無事に見つけ出しましょう。」

そう言うと、ジェイオッパとその従者は王子様を探しにどこかへ行ってしまった。
うーん、レイラ王国の王子様は確かにかなりの自由人なようだ。
でもちょっと、その行動力が羨ましくも思う。

私も探しに行ってみようかな、と応接間を後にした。