EN王国のお姫様 (ページ2)

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「はーい、朝ですよー。さっさと起きろ！」

ドンッと扉を脚で蹴りあげ、執事に有るまじき言葉遣いで部屋に入ってくる1人の男。
そのまま部屋の奥までズンズン進むと、男はなんの躊躇もせずに一気にカーテンを開け放った。

『んぅ……まぶしい……』

芋虫のように更に布団の奥へと潜り込んだ私は、この朝の光が苦手だ。
2度寝こそ至福ってオッパが言ってた。それは認めます。

「こら！もう朝の9時なんだぞ！今日はスケジュールも詰まってるんだから、な！」

『ぎゃあ！』

「奇声を上げない！それでも姫か？」

布団を一気に捲りあげられれば、誰だってそうなるよ、と反論したいのに、眩しくて目も開けられない。
本当に容赦がないな、ジェイオッパは。

このメガネを掛けた無愛想な執事はパク･ジョンソンことジェイオッパ。
毎日のご飯を作ってくれて、あとは嫌だけど勉強も教えてくれる。
執事といえば、丁寧で穏やかなイメージを思い浮かべるだろうけど、ジェイオッパは執事というよりオンマだね。

『うぅ…私の平和な二度寝生活が…』

「ほら、さっさと着替えて降りてこいよ。今日はホットケーキ焼いてやったんだから。」

『ほっとけーき！！』

「ほんと現金な姫だこと…。」

私、イ･Aは、EN王国の第1王女。
第1といっても、女は私だけだから、皆からはお姫様と呼ばれている。
皆、というのは国の皆のことなんだけど、まあ、なんだかすごい美化されてるんだよね…。
でも実際は、なんてことない普通の子なんだけど。

さて、目も覚めたことだし、お腹も空いたし、顔を洗って準備しようっと。