悲しい少女の温かな恋 2 (ページ29)

今日:1 hit、昨日:14 hit、合計:972 hit

ななじゅうろく！ページ29

sha side

オレ的に、今の興味が大先生には全く向いとらへん。

まあ、確かにおもろそうで楽しみではあるけども。

あのとんでもない技が放たれたのを見て、そちらに興味を持たないことなんてないやろ？

己の欲には忠実にって言うし、早速ライカと話を…

『〝試合中〟』

ライカが口パクでこちらに訴えかけてきた。

うそやろ、何で話しかけようとしたことがわかったん？

以心伝心ってやつか！？

でも試合中ってことは、話しかけんなってことよな…

自分でも分かるほど不機嫌な顔になる。

ライカに不機嫌アピールして、あっちに折れてもらわんと。

と、ライカがまた口を動かす。

『〝格好いいとこみせてよ〟』

そしてニヤリと笑う。妖艶な笑みが浮かんでいる。

「っあ゛…！っ〜〜！！」

助けてくれ。

嬉しいとか尊いとか恥ずかしいとかなんやら混ぜ合わさった感情が、今にも噴き出しそうになる。

かわいい…天使やん。なんやねんマジで！

しかしそれを、顔に出したらライカにバレてまうから我慢して、口パクをする。

「〝よく見ていてぇや〟」

ライカがビクッと震え、目を見開いて驚いている。

『〝勿論！〟』

ちょっと恥ずかしそうにそう口パクをしてきた。