悲しい少女の温かな恋 (ページ37)

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さんじゅうろく！ページ37

「ライカ、それについては、こちらでなんとかしてある。ペアは作れないが…浮いている板があるから、それに乗れ。」

『！…ありがとうございますっ！』

ブルシェンコ先生優しすぎだよ〜！

「近くの者とペアを組みなさい。ライカは私とだ。」

『イエッサー』

「近くの者って…コイツ…？」

「チス！一緒にやろうぜ！」

シャオロンの近くにいたのはゾムくんで。

ペアになってる…はは、シャオロンガンバ。

シャオロンが、それならお前と…！と、大先生の方を向くと。

「何でオレが豚と…」

もう既に、トントンと組んでいた。

「では、飛行場に行くぞ」

シャオロンの抵抗も虚しく、飛行レースは始まった。

「～～今年はさえずりコースのみとなる。」

「何でペアなんですか？」

モブ君が聞くと、ブルシェンコ先生が言った

「カナキリの長が暴れており…安全確保のためだ。」

…シャオロンの命は、尚更危険に晒されているのですが。

「ボクの命は尚更危険に晒されているのですが。」

おう同じことを考えていたようだな。

「では、よーい、ドン！」

ブルシェンコ先生が叫び、皆が次々に飛んでゆく。

風が、凄い勢いで押し寄せる。押される。押され…

『ひっ』

風に押され、前に出てしまい、崖が目の前に迫った。

と。

「大丈夫か。ほら、そこの板に乗れば、魔力でスピード調整出来るから。」

『ありがとうございますぅ！』

板の広さは、私が両手を広げたくらいの大きさである。

丁度いい…

「よいしょっ…では、行ってきます！」

板に乗ると、ぐっと魔力を入れスピードを上げた。

……いやいや速ぁ…風が…びゅん…びゅん…言ってる…

ちょい怖いな…

って、あそこに居るのは、シャオロンとゾムくん…？

え、爆弾ボムボム…痛そう…

「あへ？！ライカ何で板に乗っとるん？」

シャオロンにビックリされるとともに、ゾムくんが迫った。

「お前…ライカだっけ？遊ぼうぜ！」

板から降ろされ、宙に投げられ、爆弾を浴びせられた。

急なことだし、死にそうだから、体が動かない。

『かひゅ…』

下に落ちる。落ちてく。地面が、迫る。

「え？何で飛ばへんの？」

ゾムくんが、何で…？と首を傾げつつ見ている。

何で助けないの。キミも私を見捨てるの？

『…たすけて』

「！！」

それまで驚いて固まっていたシャオロンが、

コチラに向かって飛んできた。