にじゅうさん! ページ26
sha side
ライカに袖を掴まれる。嬉しい気持ちが湧くが、
やっぱきまり悪くて思わず振り払ってしまう。
……きっと、これが原因やったんや。
ライカが、目を見開いて、今にも消えそうな声で呟く。
『皆…いなくなるの?』
「は?」
ライカは、目がとても美しい青なんやけど、
ばちりと紅に染まった。
『私のせいだ、私がいけないからだ、きっとそうだすべてわたしがわるい…みんなどうせ私からイナクナルノ』
グルグルとオカシクなったように呟くライカが、
……ちょっと怖い。
でも、ライカがこうなったのって、オレが振り払ったからで。
ーーーっ、止め、ないとな?
「ライカ…?おい、何を」
でも、その静止は虚しく、ライカはまたもや何か呟き始めた
『ああきっとそう。私が何かを得ていいわけなかった』
『私は生きていてはいけない』
『私はしあわせをのぞんではいけない』
『わたしはつかわれるタメノモノ』
『意思ハナイモノと見て、叩カレテ殴ラレテ』
は…?
こいつ、理事長の孫だよな?
んじゃあ、何でこんなに病んどるん?
何で…今まで大切に保護されてきたやろうに。
…トラウマ、か?
そう思って、なにか声をかけようかと顔を上げると。
『 モ ウ イ イ ヤ 』
目が、赤く紅く朱く明く赫くアカク染まっているライカが、
何か魔力を周りに放とうとしていた。
それは、ライカとは思えんほどの、黒い魔力。
「!?これが当たったら皆死ぬわよ!逃げて!!」
モモノキ先生も顔を真っ青にさせて叫んでいる。
「先生、止められますか…?」
「っ…私じゃ、無理ね。ヒトを呼んでいるから安心して。」
嘘やろ?先生でも止められへんって、ヤバいやんか。
でも、オレの足は動かなくって。
怖い…だけじゃなくて。
ここで、あいつを止めないと、壊れる気がして。
思わず、振り返って、叫んだ。
「ライカ!」
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作者名:アスルル | 作成日時:2023年9月28日 21時