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この世界には沢山の出会いがあって、
兄以外にも素敵な人は沢山いる。
私が流星のおかげで知ったそれが、
半分正解で、半分は間違いだったって気付くのは、
手遅れになってからだった。
確かに、あの頃の私は、流星のことをちゃんと好きになれた。
けど、それは流星だったからだった。
他の誰でも、駄目だったんだ。
沢山の出会いはあったし、
あなた以外に好きになれる、流星という人にも出会えた。
でも、必死にあなたから目を逸らしても、
沢山の出会いの中で恋できたのは、好きになれたのは、
ただ一人。
流星だけだった。
なのにどうして、目を覚ましてくれないの。
どうして、私をまた、
兄しか居ない世界に連れ戻してしまったの。
私の暗く狭い世界を切り裂いてくれたのは、流星だけなのに。
私には、流星がいないとだめなのに。
私は、流星がいないと、幸せになれないんだよ。
分かってた。
あなたを愛しても、行き着く先がないってことも。
分かってた。
あなたが私を、どんなに愛しているかも。
でも私は、あなたに想いを伝えることは出来ないよ。
あまりに、怖いから。
だから、流星がいないと。
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作者名:みなみ | 作成日時:2023年7月3日 12時