アナザー・ストーリー〈赤〉 (ページ6)

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光ページ6

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あなたしか知らない、あなたしか居ない、
そんな私の狭い世界を突然広げてくれたのは、
紛れもなく流星だった。

周りの幼い男子よりも遥かに魅力的に映り、
私を宝物のように扱うあなたに恋をするのは、
私にとっては自然なことだったけれど。

良い意味でも悪い意味でも、私はあなたしか知らなかった。

だから、流星の存在は私にとっては大きな転機となった。

あなたほどは歳上じゃないけど、
一見天然で子供っぽく見える流星は、
実はすごく周りが見えていて、落ち着いていて、
大人っぽい人だった。

あなたと変わらないくらい、私を大切にしてくれた。

宝物のように私を慎重に扱うあなたとは違って、
流星は私を色々な所に連れ出したり、
知らない景色を教えてくれた。

その頃には、あなたと私は年齢差のせいで、
あまりに環境が違っていて、一緒に過ごす時間も減っていた。

そして、私はようやく気が付いた。

あなたしか居ないんじゃないって。

学校の中に、あなたのような人は居ないかもしれないけれど、
この先の人生には、きっと私には沢山の出会いがあって、
沢山の素敵な人が居るってことを。

普通は、家族のことを好きにならない。

家族を好きになるのはおかしいこと。

あってはいけないこと。

あなたを、好きになってはいけない。

それを悟り始めた私は、
流星が口に出した、私のことが好きって言葉に頷いて、
あなたへの恋心をそっとしまった。

捨てたんじゃない。

あなたは特別な人のまんま。

家族として愛していいし、大切にしていい。

だけど、恋してはいけないから。

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