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あなたはどうして、私のことが好きなんだろう。
女の子が、王子様みたいに、
必要以上に優しくて、大人な人に恋するのは、
そんなにおかしなことじゃない。
ただそれが、家族だったというだけで。
あなたは、最初っからずっと、
家族にするのとは少し違った言動しかなかったし。
でも、あなたは？
弱くて、子供で、狡くて、わがままな私の、
何処を好きになったんだろう。
私には、ずっと、それが分からなかった。
だからこそ、あなたの好きに応えることも、
好きを信じることも、怖くて。
あなたの想いを聞いても、
私の想いをすぐには明かせないままだった。
孤独に怯える私に、あなたはすぐに気が付いてくれて、
会社を休んでくれることになった。
電話をしてくるといってあなたが部屋を出た途端に、
勝手に涙が零れた。
罪悪感とか、虚しさとか、愛しさとか。
色んなものがぐちゃぐちゃに混ざった涙は、濁ってる。
流星が、もしあんなことになっていなかったら。
私は今、泣いていなかったんだろうか。
流星に、馬鹿な自分のことを全部話して、叱られたい。
また、救い出して欲しい。
願ったって仕方が無いのに、
とにかく、流星の顔が、どうしても見たくなった。
好きな人に好きと言われる。
流星に言われた時は、あんなにも、
全てがきらきらして見えていたのに。
あなたとの未来は、濁っていて、何も見えない。
ゴールがあるのかも、逃げ道があるのかも、分からない。
あやふやな未来は、こんなにも怖いものだったっけ。
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年7月3日 12時
