アナザー・ストーリー〈赤〉 (ページ23)

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真実の愛、そして痛み。ページ23

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曖昧で歪な記憶。

途切れ途切れの意識の中で、あなたの温もりだけを求めて、
ひたすらにその胸に縋った。

こんなにも激しくあなたを求めてしまったのは、
初めてだった。

もう何もかも限界だった。

唯一、あなたよりも幸せにしてくれるって、
確信できる存在だった流星を失っても、
あなたの所に後戻りしてしまわないようにすることも。

あなたへの想いを、流星ですらない他の誰かで押し込めることも。

一番長く、近い所にいるあなたに触れることが、
一番難しいことも。

どんなに想っても、
あなたが私に想いを伝えようとしてくれないことも。

もうとっくに限界だったの。

ボロボロに壊れて、その胸に飛び込む今の私なら、って。

涙を流しながらも心の奥底では期待する自分が、
何より最低だった。

この状況を作ったのも、利用したのも、全部私。

温かい体温が、制服越しに伝わってくる。

「…浮気、されてたの」

歪めて伝えた、半分の真実。

あなたは怒りに唇を震わせていた。

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