アナザー・ストーリー〈赤〉 (ページ14)

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約束ページ14

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流星に告白されたのは、中学二年生の時だった。

いつもみたいに浜辺でくだらない追いかけっこをして、
疲れ果てた頃に流星が言った、

「A、俺、Aのこと好きやねん」

という言葉に、私は息の仕方を忘れたんだ。

あなたのことを想ったまま、
あなたしか見えないまま生きていたら、
私は好きな人に好きだと伝えてもらった瞬間の胸の高鳴りを、
知らないまま生きていたんだろう。

そう思うとすごく怖くて。

だから私はこの時、流星がいて心から良かったと思ったし、
流星のことを手放してはいけないって思った。

「きっと、Aを幸せに出来るのって、
大ちゃんやなくて、俺やと思う」

そう言った流星の表情は、今まで見た中で一番強かった。

そして、その流星の言葉はその時も、今も、
何も間違っていなかった。

あなたと居ても、幸せにはなれない。

あなたのことは、確かに好きだった。

流星と過ごすほどに、あなたと離れるほどに、
胸に罪悪感のような、違和感を感じていたことも、
少なくはなかった。

でもこの時はまだ、あなたが私を想っているということに、
私は確証を持てていなかったし。

何より血の繋がったあなたを想うことがただ苦しかったから。

だから、流星は私にとっては眩しいくらいの光で、希望だった。

流星と幸せになりたいって。

そう強く思って頷いたんだ。

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