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■16 アルフィーとその同僚 ページ16

「あっ、おはよ…サンズ。」

研究室のドアが開く。
この人が来たということは
ピッタリ午前8時。時計を確認して
ため息を吐いた。

「よぉ、また研究室に泊まったのか?」

「うん…、つい夢中になっちゃって…。」

「相変わらずだな。泊まるのは構わないが、
机の上はキレイにしようぜ?」

彼は宙に浮かせた骨で
ゴミを袋に入れていく。

「あっ、ごめん私がやるから…!」

「気にするな。オイラも気持ちはわかる。」

いつの間にか片付いた机に
見慣れないリュックが置かれる。

「サンズ、リュック買ったの?」

「あぁ、これか?家に資料持ち帰るのにな。」

「おうちで何かあったの…?」

わざわざ仕事を持ち帰るなんて珍しい。
帰らなきゃいけない理由が…?
だとしたら私、しっかりしなきゃ…。

「何かあったわけじゃないが…、
早く帰ると喜ぶヤツが“2人”いるからな。」

彼は小さく口角が上がった。

「あっ、そういうことだったの…。
ごめんなさい、私がドジなばっかりに
仕事増やしちゃって…。」

「何言ってるんだ?量は少なくても
質が良いだろ?オイラだって研究(こういうの)から
しばらく離れてたし、わからないことぐらい
あるからな。

ほら、始めようぜ。
研究ってもんは時間がかかるし、
この時間が勿体ないぜ。」

目の前に置かれたコーヒー。
あぁ、私っていつも誰かに慰められてばっかり。

…それにしても前と変わらない私に比べて
彼は“彼女”に出会ってからとっても変わった。

生き生きしてる…。



昼休みになった。
私はいつもの定位置、部屋の端でお昼を食べる。

持ってきたお弁当を開けると不器用な
私の顔が描かれたオムライスが見えた。

「ふふっ、今日はオムライス…!」

アンダインが私に作ってくれたお弁当。
どんどん料理が上手くなってて凄い…。

「へー、今日はオムライスか。」

「えっ!?」

正面から聞こえてきたのはサンズの声。

「奇遇だな、オイラもオムライスだ。
作ってもらったんだ。」

手には1本のケチャップ。
ブチャッと音がして黄色が赤く染った。

「それにしてもよ…。」

サンズが呟く。

「“この世界”は平和だよな。
なんだっけ?リアじゅう?ってやつにも
オイラたちはなってる訳だし。」

「そっ、そうだね!?」

リア充、昨日のアニメ、昨日アンダイン…。

最近のサンズはいつもこんな感じだなと
思いつつ、私は妄想が爆発した。

…今日は面白い漫画が描けそう。

サンズの話は全く入ってこなかった。

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作者名:クローバード | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/umixtuti/  
作成日時:2022年5月23日 12時

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