△11 嫉妬の気分は気持ち悪い�� (前作、サンズ視点) ページ11
【前作
“ジェラシータイム� 銑�”より】
▼
「またね、サンズ。
次からは“トリィ”でいいわよ?
その方が相談しやすいでしょ?」
彼女はそう笑ってオイラの話を
聞いてくれるようになった。
話っていうのは、いつものダジャレとか
ネタの付き合いとかじゃない。
……恋バナってやつだ。
最近は何故か恋愛相談になっているが。
今日はそんなことになってから
数週間ぐらい。
「ん、サンズお出かけ?」
「まぁな。」
出かけようとドアノブに手をかけると、
Aが話しかけてきた。
「グリズビーさんのとこ?」
「いや、今日は“トリィ”のとこだ。」
「あっ……、そうなんだ。
……いってらっしゃい！」
なんで、急に声のトーンが下がるんだ。
……なんでそんなに、
かなしそうな顔をするんだ。
「おぅ。」と返事をして扉を閉めた時、
一瞬彼女が見えたがわかりやすいぐらい
顔もさびしそうだった。
「……。」
1人はそんなに嫌だったか?
それとも……なんて、そんなわけない。
自意識過剰にも程がある。
近道を使ってあっという間に
トリィの家に着いた。
今日は休みを取ったらしく、
家に招かれた。
軽くKnockすると中から彼女が出てきた。
「いらっしゃい！サンズ！」
「よぅ、いつも悪いな。」
「何を言ってるの。
私が好きでしていることよ。」
笑うと彼女はテーブルがある方へ手招きした。
「それで……。」
テーブルに紅茶が置かれると、
トリィが話し始める。
「サンズ、貴方はなんでそんなに
あの子に対しての気持ちを隠すのかしら?」
「………。」
「この間の話を聞く限りそれは…。」
「それは…“嫉妬”、だろ?」
オイラはそこまで馬鹿じゃない。
この感情が何なのかはわかってるし、
理由も………。
あぁ……、この感情は本当に迷惑だ。
「自分の気持ちには気づいてるのね…。
でも、好意を認めてしまったらいけない
理由があるの?」
「…あぁ。」
オイラはこの世界の仕組みを
少しばかり知ってしまった。
だから色んなことを、
とっくに諦めたはずだった。
もし仮に関係が出来たとして、
きっとオイラは苦しむのと後悔をする。
恋愛なんて尚更だ…。
……もしかすると、近づきすぎるのが
怖いのかも…な。
「そう…。あぁ、そういえば。
Aは今家にいるのかしら?」
そう聞かれて脳裏にさっきの、
かなしそうな顔をしたAが浮かぶ。
「多分、家に1人でいるんじゃないか?」
「…サンズ。女の子を1人にして
私のところに来たのかしら？」
△12 嫉妬の気分は気持ち悪い�� (前作、サンズ視点)→←＊10 酷いのに、大好き（フリスク）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クローバード | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/umixtuti/
作成日時：2022年5月23日 12時
