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Episode41.解けない体温 ページ41

「あ、の…」

彼は私を抱きしめた後、そのまま自身の体重を私の方向に預けてそのまま私は後ろへ倒れ込んだ。
久しぶりのこの構図…あの時は降谷さんに抱かれることに対して義務感があったこともあったけれど、今はただ私が好きな人が私を見てる。
少しだけ…ううん、ひどく興奮した。

「ッ…」

私の不安なんて知らない、とでも言うように彼は私の首筋に唇を押し付けて、それから生温かい感覚が私の首筋から鎖骨を通った。
服が邪魔なのかTシャツをめくりあげてそして気にしていた下着なんて目もくれずに器用に私の背中に右手を差し込んでホックを外す。
彼女には優しく脱がせてくれるんだ、と感じた。あの時は自分で脱いでいたから。

「余裕なくてすみません」

そう言って私を見る彼は本当に余裕がなさそうだった。
けれどその瞳はとても艶麗で、切羽詰まるように唇を少し噛みながら笑う彼に、それだけで高揚感が襲う。
色々なところに唇を押し付けて、それから私の唇も何度も彼はキスをした。
蕩けそうで、けれど蕩けてしまっては勿体無い彼の愛撫は特別。

「んッ…」

静かな部屋の中で声が漏れて、けれど声が漏れた所を彼は見逃さずに愛した。
それは私が完全に快楽の波へと溺れるまで終わらない充実した時間。
気がつけば生理的に流れた涙を彼は優しく拭ってくれて、優しく微笑んでいた。


「Aさん!」

朝一番に由梨さんの元へ向かった。
犯人が逮捕された事も知っていて、探偵事務所で温かいご飯を美味しそうに食べている姿にホッとする。
これから探偵事務所でお世話になっている警察官が迎えに来るそうでそこで薬のことも洗いざらいに話すと言っていた。
探偵事務所…顔を見て思い出したが、パーティーの時にいた毛利さんの事務所だ。
娘さんも鈴木財閥のご令嬢のそばにいた方だった。
私も朝食を一緒に食べようと由梨さんに誘われた時、潜入調査用の携帯の着信が鳴り、降谷さんと目を合わせる。

「由梨さん、ごめんなさい…これから仕事があるんです。何かあったらまたいつでも頼ってください」
「…お別れですか」
「またすぐに会えますよ。お元気で」

お別れをしてすぐに階段を降り、外に出てスマートフォンを耳元へ近づける。

「ロゼ、仕事よ」
「…ベルモット…内容は?」
「今日の十三時、ロイヤルホテルの最上階でチップを受け取ってくること。でも、あの取引相手ちょっと厄介なのよねぇ」

ベルモットは仕事の内容を話し始めた。
それは望んでいない、けれどいつかはくるだろうと思っていた仕事内容だった。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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モモナ(プロフ) - 富岡さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってしまい申し訳ないです…。低評価がついてもそれは一意見として受け止めておりますし、面白いと思っていただける方に向けて更新しているので気にしておりません。優しい心遣い、応援、ありがとうございます。頑張ります! (2020年2月11日 1時) (レス) id: 9a07434cd3 (このIDを非表示/違反報告)
富岡 - なんか低評価の荒らしがいるかもしれませんね・・・応援してるので頑張ってください! (2020年2月5日 17時) (レス) id: 6a73ff0034 (このIDを非表示/違反報告)
モモナ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!安室さんの言葉遣い?って結構難しくて本当に謎大き男です…笑。応援ありがとうございます(*´ー`*)とってもうれしいです。頑張ります! (2020年2月3日 0時) (レス) id: 9a07434cd3 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 今回の作品もさっそくハマりました笑 モモナさんの文才というか、なんというか、本当に尊敬します(え) モモナさんの書く安室さんや夢主ちゃんが好きです(*^^*) 更新大変だとは思いますが、頑張ってください! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 95154b8388 (このIDを非表示/違反報告)
モモナ(プロフ) - 焼き鳥さん» コメントありがとうございます。新作ということで、不安もありますがもっと楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年2月2日 16時) (レス) id: 9a07434cd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モモナ | 作成日時:2020年2月2日 13時

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