Episode32.Étoile-エトワール- ページ32
「うわぁ…沢山並んでますね」
「ロゼってテレビとかSNSとか見ないの?一日に一回は見かけるわよ」
長い行列を作っている中で、予約しているベルモットはどんどん入り口に向かっていく。
店員に声をかけると店内に案内され、「こちらのお席になります」と言われて引かれた椅子に腰かけると、「あら、面白い顔が見えるわよ」とベルモットが横を見る。
そこには降谷さんと女性の姿が見えて、すぐに顔を逸らす。
「ロゼ、いいの?バーボンがあの子と一緒にいて」
「…あの子って…お知り合いですか?」
「バーボンが働いてる喫茶店の従業員の子よ。名前は…榎本梓って言ったわね」
と、いうことは安室透さんとしての彼をベルモットは知っているということだ。
「私には関係ありません」と差し出されたメニューを手に、彼女に笑いかけた。
内心、荒れている心を鎮めるために深呼吸をしながらメニューを見るも頭に入ってこない。
「ロゼってバーボンのこと好きじゃないの?」
「へっ!?」
「男女の仲になって甘い夜を過ごしたんだし好きになったんじゃなあい?いいじゃない、お似合いよ」
お似合い、だなんて本当は思ってもないベルモットが楽しそうに頬杖をつきながら笑う。
「私は…」
チラッと彼らを見ると、安室透特有の甘い笑みで彼女に笑いかけて美味しいご飯を食べる降谷さんに胸がざわついた。まるで芋虫を踏んだ時のような嫌な気持ち。
「はぁ…ちょっと待ってなさい」
ベルモットが席を立ってトイレの方向に足を進めた。
数分して、お料理も机に並べられた時、手を肩に置かれて振り向くとそこには見知らぬ男が立っていた。
「ロゼ、料理食べましょう」
「べ…ベルモット…な、な、なんで…」
「ロゼと一緒に食事なんてバーボンが知ったら探られるもの。私、プライベートは秘密主義なの」
「…だからってなんで男性なんですか」
美味しいメニューを食べながらも、目の前にいる美形の男性に変装しているベルモットに、向こうで楽しそうに食事をしている降谷さん達にヤキモキしながら時間を過ごした。
デザートが通され、まるで宝石箱の中に入っているジュエリーのように煌びやかで艶やかなケーキに目を奪われる。
SNS等などには疎い私だが、流石にこの画は写真の中に納めたい。けれど、ベルモットの前で失礼だと思われるかなとムズムズしているとベルモットがクスクスと笑った。
「撮っていいわよ」
ベルモットのその言葉にむず痒くなりながらも、スマートフォンのカメラアプリを起動した。
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モモナ(プロフ) - 富岡さん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってしまい申し訳ないです…。低評価がついてもそれは一意見として受け止めておりますし、面白いと思っていただける方に向けて更新しているので気にしておりません。優しい心遣い、応援、ありがとうございます。頑張ります! (2020年2月11日 1時) (レス) id: 9a07434cd3 (このIDを非表示/違反報告)
富岡 - なんか低評価の荒らしがいるかもしれませんね・・・応援してるので頑張ってください! (2020年2月5日 17時) (レス) id: 6a73ff0034 (このIDを非表示/違反報告)
モモナ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!安室さんの言葉遣い?って結構難しくて本当に謎大き男です…笑。応援ありがとうございます(*´ー`*)とってもうれしいです。頑張ります! (2020年2月3日 0時) (レス) id: 9a07434cd3 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 今回の作品もさっそくハマりました笑 モモナさんの文才というか、なんというか、本当に尊敬します(え) モモナさんの書く安室さんや夢主ちゃんが好きです(*^^*) 更新大変だとは思いますが、頑張ってください! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 95154b8388 (このIDを非表示/違反報告)
モモナ(プロフ) - 焼き鳥さん» コメントありがとうございます。新作ということで、不安もありますがもっと楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年2月2日 16時) (レス) id: 9a07434cd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モモナ | 作成日時:2020年2月2日 13時