9話 ページ10
バ「スコッチ!!!」
大きな音を立てて、勢いよく来たのはバーボン。
バーボンが到着するまでの間に、即効性がある睡眠薬を飲ませ、先日始末した男の血をぶちまける。
本物の血の匂いもするし、スマホもライが銃で壊したし、傍から見たら殺されたようにしか見えないはず。
そんなスコッチを見たバーボンの表情は、絶望しているように見えた。
微かに震えている・・・スコッチとは仲が良いみたいだったし、ショックなのだろうか。
バ「・・・何故ですか?彼はまだ確定じゃなかったはず・・・。何故殺したんですか?」
「なんでって・・・貴方も知っているでしょう?ジンのやり方・・・疑わしい者は罰せられる・・・私達はそのやり方に従っただけですよ?」
ラ「我々でジンには報告はしておいた。遺体の処理はミント、お前に任せろとジンが。」
「わかりました。それでは邪魔なのでバーボンたちは退散してもらえますか?」
打ち合わせどおりに会話をする私達に、バーボンはつぶやいた。
バ「・・・彼の・・・スマートフォンはありませんか?」
「あるけれど・・・パッと見た感じ復元はおそらくできませんよ?何に使うんです?」
バ「貴方に関係ありますか?ミント・・・・・貴様に。」
いつものバーボンではない、別の誰かと話している気分だ。少し怖い。
どう返そうか悩んでいると、ライが助け船を出してくれた。
ラ「まぁ、いいじゃないか。葬られた男のスマホがどうなろうと俺たちの知ったことじゃない。バーボン。持っていきたいなら、持っていってはどうだ?」
バ「あぁ、そうさせてもらう。」
そう言うとバーボンは、私とライの間に割り込んで、スコッチに近づき、スマホを取り上げる。
バ「失礼します。」
そう言って立ち去っていくバーボンの姿は悲しさで溢れているような気がした。
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作者名:もなか | 作者ホームページ:http://hp/Aaar
作成日時:2024年1月24日 21時