37話 ページ41
平然と聞いてくるシェリーにあたふたする。
すると、シェリーはニヤリと笑いながら言う。
シ「あなた、顔に出てるわよ?あなたが好きって・・・。」
顔が赤くなっていくのがわかる。
確かに、私と零は一応だけど恋人だ。
長年会っていなかったぶん、たまに会えたときの嬉しさがたまらなく、どんどん好きが溢れていく。
でも、私は必死にそれを隠していた。
私達の立場上、誰かにバレるのは良くないと思ったから。
でも、それはシェリーには通用しなかったようだ。
「・・・やっぱり、シェリーには隠せないか。その通りよ。私達は恋人。」
諦めたように、でも照れくさそうに言うと、シェリーは笑った。
シ「やっぱりね。雰囲気が甘かったから・・・・組織の頃とは全く違う雰囲気だったわ。表情にだだ漏れなのよ。」
思わず苦笑する。
そんなに表情に出ているとは思わなかったからか、恥ずかしさで胸がいっぱいだ。
「久しぶりに会えたから・・・。もう、離れ離れにはなりたくないかな。」
そう言うと、シェリーは笑顔になった。
シ「あなたにそんなふうに思える相手が見つかってよかったわ。大事にしなさい。」
シェリーの言葉に、私は笑顔で頷いた。
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「火事だ!前の車両にいけ!」
「どこ?どこにいるの?」
「いやぁーーー!!」
パニックになっている声が聞こえる。
この火事は作戦が実行された証拠。
シェリーもここで、零・・・バーボンと話してるみたいだしね。
私はいつ、誰が来てもいいようにシェリーの座っている席と扉の中間に座る。
でも、私の出番は来ないまま、このミステリートレイン事件は幕を下ろしたのだった。
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作者名:もなか | 作者ホームページ:http://hp/Aaar
作成日時:2024年1月24日 21時