復讐の中の甘い恋 (ページ34)

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　３１話ページ34

ポアロをあとにして、私は秀一の家に向かった。

いつ見ても立派なお屋敷にドキドキしながら、インターホンを押す。

　沖「はい、今開けますね。」

聞こえてきたのは沖矢昴の声だった。

　赤「坊やから連絡があったぞ。降谷くんと一悶着あったそうだな。」

「大変だったんだから。コナンくんは全く助けてくれないし。」

何度も安室さんの背筋が凍る程の怖い笑みを思い出しては、胃が痛くなる。

次に二人きりになった時、なんて言われるか・・・・考えるだけでも恐ろしい。

そんな私を見て、秀一はニヤリと笑った。

　赤「前々から思っていたんだが、君は所々抜けているよな。」

思わずムッとする。

「私、秀一が思ってるほどマヌケじゃないからね？意外としっかりしてるんだから。」

最近だって勉強してるんだから。

すると、秀一は急に真面目な表情になり、言った。

　赤「そうか。じゃあ、そんなしっかりしたAに話があるんだ。・・・組織のことで。」

「ついに動き出したのね。」

私が所属していた組織の人間である、ジンは私の存在を感づいているらしかった。

そこで注意するべきは、狙撃とベルモットだった。

急に近づいてくる人間はまず、ベルモットかどうかを確認しなくてはならない。

もし彼女だった場合・・・私の命は危ない。

そもそも私は組織の人間と仲良くすることができず、元々浮いていたのだ。

私はもちろん、向こうも私のことなどただの仕事仲間としか思っていなかったと思う。

その中でもベルモットとはそこそこ仲は良かったのかもしれないが、私はあまり好きではなかった。

はぁ・・・私も変装とかしたほうがいいのかなぁ。

そんなことを考えながら、私はソファに寝っ転がると、秀一は言った。

　赤「とにかく、外出は控えることだな。尾行には要注意。Aだけではなく、俺の命もかかっているのを忘れるな。」

「うん。気をつける。」

そう返事をすると、秀一はキッチンに行った。

不安な気持ちを抱えながら、私は静かに目をつぶった。