25話 ページ28
爆発音と共に、銃声が鳴り響く。
私に向けられていた銃は、乾いた音を立てながら床に落ちた。
赤「やはり君に任せるのは良くなかったようだな、降谷零くん。」
聞こえたのは、聞き覚えのある、懐かしい声。
目の前に現れたのは、赤井秀一・・・彼だった。
バ「何故、貴様がここに!?」
バーボンの言葉に、赤井さんはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
赤「なぜって・・・彼女を迎えに来たんだ。なぁ、ミント。」
赤井さんが何を考えているのか、私はすぐにわかった。
おそらく彼は、スコッチのときと同様、FBIで私の身柄を保護するつもりだ。
そしたらもう、私は降谷零の近くにいることはできないし、ジンにも復讐はできない。
すべてを捨てて、アメリカに来い・・・そう言いたいのよね、赤井さん。
赤井さんの目を見つめながら、私は首を縦に振った。
「いつかはこうなるって、わかってたから・・・。」
降「どういうことだ、赤井秀一!何故、彼女を連れて行こうとする!?」
声を荒げる降谷さんに、赤井さんは言った。
赤「君がいつまで経っても彼女を助けようとしないからに決まってるじゃないか。ジンに手を打たれる前に、作戦でも何でも、たてておくべきだったんだよ。本当に彼女のことが大切なら、身を削って、彼女を救う方法を考え、実行するべきではなかったんじゃないか?」
赤井さんの言葉に、降谷さんは震え出した。
このいたたまれない空気に嫌気が指し、私は赤井さんに目線で合図を送った。
赤「こっちだ。」
「はい。・・・・ねぇ、バーボン。最後に聞いてくれる?」
私が話しかけると、この世の終わりのような表情を浮かべている降谷さんが顔をあげた。
「あのね、私、また貴方に会えるかわからないけど、また会うときのために、ひとつ教えてあげる____。わたしの本当の名前は、齊藤A。次会うときは、名前で呼んでね。」
そう、言い残して、私は赤井さんの後を追った。
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作者名:もなか | 作者ホームページ:http://hp/Aaar
作成日時:2024年1月24日 21時