19話 ページ22
「どういう意味・・・ですか?」
バーボンの言葉に頭がまとまらない。
もしかして。もしかして、バーボンは・・・
バ「組織の中で、貴方は犯罪に中々手を出していない。今ならまだ僕の権限でどうにかなるかもしれない。自由になれるんですよ?」
「バーボンは警察なの・・・?」
私がそう言うと、バーボンは困ったように微笑んだ。
バ「そうですね。僕の本名は降谷零。公安警察です。」
不思議な気持ちだった。
「それを私に話して平気なんですか?私だって、組織の幹部で、もしかしたらジンに・・・。」
バ「言わないでしょう?」
バーボンは笑って言った。
バ「ライ・・・赤井秀一から聞きました。スコッチのこと、貴方は最後まで助けようとしてくれていたとね。それだけじゃない。どんな任務のときも、誰にでも優しくしていた・・・。組織の幹部である貴方は、ジンたちとは違う。貴方もまた組織の被害者です。だから、僕は貴方を助けたい。解放してあげたい。組織は必ず公安警察が壊滅させます。今のうちに貴方には逃げてほしい・・・。」
バーボンがこんなふうに私のことを想ってくれているとは、なんとも言えない気持ちだった。
あんなに嫌われてたのに・・・。
バ「復讐にとらわれないで。貴方の心は自由なんですから。」
「少し・・・考えさせてください。」
私はバーボンを置いて、逃げるようにしてポアロを出た。
ほろ苦くて、でもほんのり甘い・・・そんな気分で空を仰いだ。
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作者名:もなか | 作者ホームページ:http://hp/Aaar
作成日時:2024年1月24日 21時