16話 ページ19
バ「・・・馬子にも衣装とはこのことですね。」
「無理に褒めなくて大丈夫ですよ。バーボンに褒められても貶されても、なんとも思いませんから。」
パーティー当日。私とバーボンはアジトで待ち合わせをし、パーティー会場に向かった。
会場にはすでにベルモットが潜入していて、私達は様子を観察する。
はぁ・・・なんだかな。
バーボンのタキシード姿は、ムカつくけどかなりかっこいい。ま、言わないけどね。
何人かの女性もチラチラとバーボンを見ては、ため息をついている。
モテモテとはまさにこのこと。
パーティー会場に潜入して一時間がたつと、ベルモットはターゲットと一緒にいなくなっていた。
任務は完了。
バーボンも気がついたようで、帰ろうとすると、一人の男に呼び止められた。
男「お姉さん、よかったら僕と一緒に踊らないかい?」
逃げようとすると、今度は手首を掴まれる。
うわぁ・・・気持ち悪い!
どうしようかと考えていると、バーボンが助けに入ってくれた。
バ「すみません。僕の相手に手を出さないでもらえますか?」
バーボンは怖い顔をしながら続けた。
バ「これから、彼女と踊るんです。そこをどいてもらえます?」
嘘しかついてない・・・。
でも、言ったからには踊るしかないか・・・。
そう思っていると、バーボンは私に手を差し伸べた。
バ「・・・行きましょう。」
「はい。」
戸惑いながらも、その手をとる。
曲に合わせて、二人で仲よく踊る。
初めての経験に不安がこみ上げるが、バーボンは優しくエスコートしてくれる。
この夜が、ずっと続いてほしい・・・そんな風に思ったのなんて、バーボンには絶対に言えないな。
バーボンの優しいその表情に見とれながら、私は思った。
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作者名:もなか | 作者ホームページ:http://hp/Aaar
作成日時:2024年1月24日 21時