シバと星。2

曇り ページ35

早退した次の日の学校は、
どうしても行く気になれなかった。



LINEを開いてもウヨンやヨサン君からの
メッセージなんか無くて



…もちろんサニからも。



「ちゃんと安静にしてなさいよ？
もう仕事行って来るから。」




結局、お母さんには具合が悪いって言って
何とか休む事に成功したけど



何もやる事が無い家で、ただ横になっていると



「先輩には彼女居るんだよ」



そう言ったサニの言葉が重く響く。



浮かれている私を見て可哀想だと思った？



サニがどういう気持ちで私にそう言ったのか
分からないけど、




私って何も周りが見えず、1人で浮かれて馬鹿みたい。




明日のソンファ先輩との予定どうしよう…



こんな気持ちで会えない



でも、なんて言って断ればいい？



私が悪いのになんの解決策も出て来ない。



その日一日中ずっと考えても
何も答えが出ないまま



ソンファ先輩との
約束の朝になってしまった。



重い私の気持ちに更に追い打ちをかけるように


カーテンを開けると
今にも雨が降り出しそうな曇り空。


真っ黒で分厚い雲に覆われて


朝だと言うのに太陽なんて見えないぐらい。



今にも泣きそうな今の私とそっくり



『最近まで晴れ続きだったくせに…』
.
.
.
.
.

SH「おはよう！
天気…悪くなっちゃったけど…行こっか。」



結局断りきれなかった私はソンファ先輩との
待ち合わせのバス停に向かった。




柔らかそうな白の薄手のニットと
ズボンだけのシンプルな服装。


だけどスタイルが良いソンファ先輩に
とてもよく似合っていて、少し広めに開いた



首元にはちらっと時折光るネックレス。



制服と練習着くらいしか見た事無い私は
ソンファ先輩の私服に




昨日一日中悩んだ事を忘れそうになるぐらい
格好良かった。




そこからバスに乗って、目的地へ。




おすすめなお店があるんだ



遠足を楽しみにしている子どものように
楽しそうに話しながら窓から
景色を見る先輩の横顔。




彼女さんはこんな表情が毎日見られるんだ

羨ましいと思いながら


こんな表情を私が見ても良いのか


そんな事を考えてしまって


先輩の前では明るく振る舞っていても



気持ちはどんどん重くなるばかり。



目当てのお店に入ると

色んな種類と色の靴に圧倒される

私の隣で目を輝かせるソンファ先輩。



『うわ、凄…』



SH「見て！これAに似合いそう！！」

.
.


ほら、

自分の靴より私の靴を探しちゃう人なんだよ。

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